鮨と割烹料理を提供する面白いコンセプトの和食店「白金 よこ山(しろかね よこやま)」。白金商店街に位置し、白金高輪駅のA4出口から歩いて5-6分といったところ。私の推しのパン屋さん「ベッカライ ブラウベルグ(Backerei Blau Berg)」のお隣です。
店内はカウンターに4-5席と6人掛けのテーブルが2卓。こぢんまりとしたお店であり、地元の常連客が多いので、アウェイ感が苦手な方は常連を見つけ出して連れて行ってもらいましょう。
飲み物は高くなく、ビールは千円を切り、日本酒も1合千円前後です。日本酒は全国各地の銘酒を取っている印象で、回転も良いのか状態が良く感じました。
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日本料理は支払金額が高くなりがち。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの日本料理ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い日本料理なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。
飲み物は高くなく、ビールは千円を切り、日本酒も1合千円前後です。日本酒は全国各地の銘酒を取っている印象で、回転も良いのか状態が良く感じました。
タイの子にカニの身に山菜の胡麻和え。鯛の子の濃厚な旨みとカニの甘みが主役であり、山菜のほろ苦さが爽やかなアクセントを加えます。胡麻和えの香ばしくまろやかな風味が全体のバランスを取っています。
フグのカマの竜田揚げ。フグの旨みが詰まったカマを、下味のついた竜田揚げでカリッとジューシーに頂きます。ヘンな表現ですがKFC的な中毒性があり、こればっかりはビールが欲しくなる。
カツオのたたき。一般的なものとは異なり、赤味がかったベージュのソースを纏っています。カツオの香ばしさと濃厚な旨みが心地よく、後味はスッキリ。お造りは赤貝に桜鯛、伊勢海老にマグロ。赤貝と桜鯛の存在が春の季節感を想起させ、軽めの日本酒と共に味わうと最THE高。今夜の飲みベが上がってきました。
焼物は銀ダラにナスに山菜にホタルイカにアワビ。それぞれふき味噌やウニなどがトッピングされており、このひと皿(盆?)でかなりの食材量。いずれも酒の進む味覚であり、チャクラは開きっぱなしです。
わさび菜とうるいの酢の物には白子をトッピング。わさび菜のピリッとした辛みと、うるいのぬめりが甘酸っぱい酢で調和します。白子の濃厚さも見逃せない旨さであり、爽やかさとコクが共存するひと品です。
ハマグリとタケノコの小鍋仕立て。ハマグリの甘みと旨みが効いた出汁にタケノコのみずみずしい甘みとほろ苦さが溶け合います。木の芽の爽やかな香りとスパイシーさがアクセントとなり、優しく奥深い味わいに。
鮨も出ます。スミイカにサヨリ、ボタンエビにキンメダイ、トロ、そしてウニの手巻き。5カンに巻物ひとつと中々のラインナップですが、シャリは小ぶりなので小食な方でもスイスイです。やっぱり鮨が出ると場が華やぐなあ。
なんと、手打ちの蕎麦も出ます。香りが良く程よい甘味もあって、鮨で膨れた腹であっても難なく収まります。「和食 哲茶ん(わしょく てっちゃん)」もそうですが、〆に自家製の蕎麦を出す和食店というのが白金スタイルなのかもしれません。
デザートは黒ゴマアイス。、黒ゴマの濃厚な香ばしさにきなこの素朴な甘さと蜜の深いコクが加わり後を引く美味しさです。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり2万円ほど。港区で鮨と日本料理を楽しんでこの支払金額は大変お値打ち。マンハッタンであれば800ドルぐらいしそうなほど打線に厚みがありました。
やっぱり日本料理はこれぐらいの価格帯であって欲しいなあ。5万10万の日本料理店が盛況であり、確かにその額を支払ってくれる客は居るかもしれませんが、君がそれだけの仕事をしているかどうかは別の問題だ。

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日本料理は支払金額が高くなりがち。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの日本料理ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い日本料理なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
- 乃木坂しん ←肝臓を整えてからどうぞ。
- かどわき/麻布十番 ←トリュフ!トリュフ!トリュフ!
- しのはら/銀座 ←予約困難となって当然だ。
- おぎ乃/赤坂 ←赤坂にミラクルな店が爆誕しました。
- 割烹 新多久(しんたく)/村上(新潟) ←魚は新鮮さが全てではない。
- 一本杉 川嶋(いっぽんすぎ かわしま)/七尾(石川) ←能登半島にゴールデンルーキー現る。
- 御料理 一燈(いっとう)/福井 ←福井に来る機会があれば必ず予約を入れましょう。
- 比良山荘(ひらさんそう)/湖西(滋賀) ←鮎をたらふく食べ、熊肉に舌鼓を打ち、マツタケをザルのように食べてこの支払金額はお値打ち。
- 木山(きやま)/ 丸太町(京都) ←京都で一番好きなお店。
- カモシヤ クスモト/福島(大阪) ←独学でもトップに立ててしまうのか。
- 島之内 一陽/難波 ←カジュアル日本料理の最高峰。
- みつき/鳥取駅 ←この質のカニをこの価格で提供できるのは地の利。
- 馳走 卒啄一十(ちそう そったくいと)/広島市 ←中国地方、いや日本全体を含めてもトップクラスに好きな日本料理店。
- 御料理 まつ山/黒崎(北九州) ←北九州の旅程に是非とも組み込みたいお店。
- 日本料理 幸庵/藤沢 ←こちらも費用対効果が素晴らしい。ミシュラン三ツ星って実はお買い得?