1955年に創業した老舗の台湾料理店「麗郷(れいきょう)」。赤レンガ造りの建物が特徴的で、道玄坂のランドマーク的なポジションを獲得しています。我々は週末の17時頃にお邪魔し、スっと入店することができましたが、帰る頃には待ち行列が生じていました。
店内は1、2階に地下もあるのかな。100席を超える大箱であり予約は不可、相席が基本でギュウギュウに詰め込んでいくので家賃効率は大変良さそう。ゲストの殆どは日本人ですが、この雑多で賑やかな雰囲気は、まるで台湾にいるかのような気分を味わうことができます。
瓶ビールは700円前後と良心的な価格設定。紹興酒を飲んでる人が結構多かったかな。従業員同士の中国語(台湾語?)が飛び交っており雰囲気が増す。接客は雑ではあるものの皆テキパキと動いており、好感が持てます。
腸詰(チョウヅメ)。店の看板メニューであり、厨房に吊るされた姿が印象的。肉の旨味が濃厚でビールとの相性が抜群。仄かに甘く噛むほどに味わい深い。本日一番のお皿です。
こちらも名物の肉圓(バーワン)。 台湾のB級グルメであり、肉まんの外皮がゼリー状になったような食べ物です。半透明のモチモチした皮が面白い。
ニンニクの芽の炒め物。ニンニクの芽だけかなと思いきや、けっこうお肉も入っていて嬉しい。シジミのニンニク炒め。 大粒のシジミをニンニクや醤油、紹興酒で炒めたひと品。ツルリと粒を口に含み、ビールで後を追っかけます。残った汁をビーフンや炒飯にかけて楽しむのが通だそう。
麻婆豆腐は 四川風の花椒(ホアジャオ)を多用したスタイルとは少々異なり、コクと甘さが目立ちます。それでも唐辛子的な辛味は中々の強さで、自然と汗が噴き出してきました。定番の蝦仁炒飯(エビ入り炒飯)。ビジュは爆発していますがバッチ処理(作り置き?)されているような温度帯ならびに油の浮き具合であり、中くらいの美味しさです。ネット上では「世界一のチャーハン!」のような賛辞が並びますが、キミの世界は大丈夫そ?というお気持ちです。
肉ちまき。ムッチリとした食感とほのかな甘みが広がるもち米の中には豚の角煮的なブツが閉じ込められています。ご覧の通りの美味しさですが、551のちまきの倍の価格かあと考えると、色々と思うところがありました。以上を2人でシェアし、軽く飲んでお会計はひとりあたり5千円といったところ。腹八分目だというのに思ったよりも高くつきました。ひと皿ひと皿のポーションが意外に小さいのな。それでも100種類以上あるメニューの豊富さは魅力的で、何度も通える楽しさがある。気合を入れて食事を楽しみに行くというよりも、仕事帰りに仲間と雑に飲みに行く、みたいな使い方が正解なのかもしれません。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン