最近のANAの機内食は、ややこしい調理をせず素材感を全面に押し出しており、豪快でとても良い。

「ハイアット リージェンシー バンコク スワンナプーム エアポート(Hyatt Regency Bangkok Suvarnabhumi Airport)」をチェックアウトし、徒歩でスワンナプーム空港へと向かいます。エアコンのきいた地下通路で繋がっていて便利。グーグルマップの口コミでは世界各国からの酷評が並びますが、私は何の不自由もなく、どちらかというと良いホテルに感じました。世の中体験しないとわからないことが多すぎる。
さて、スワンナプーム空港のANAカウンターでチェックイン手続きを進めると、このラウンジの中から好きなところに行って良い旨の案内がありました。選択肢は12もあるのですが、資料中の番号と説明書きが一致しておらず、また、現地に行くとラウンジ名が変わっていたりと事務遂行能力に不安を覚えます。航空機の部品は数百万点にも及ぶというのにメンテ大丈夫そ?
航空会社のラウンジは、その国のフラッグキャリアのものを選ぶのが鉄則なので、今回はタイ国際航空のものを利用することにしました。その中で「プレステージ」と名の付くものが良いのだろうと思いそこへ向かうのですが、「ロイヤルシルクラウンジ」に名前が変わっていました。ちなみにお向かいには「ロイヤルオーキッドラウンジ」があり、それらにどのような違いがあるのか結局わからず仕舞いです。
ラウンジ内は大人多めで落ち着いた雰囲気。日本における日系エアラインのビジネスクラスラウンジって、どうしてあんなに客層が悪いのだろう。
地元の料理も沢山あって、麺料理などはオーダーが入ってから作り始めてくれます。ビジネスクラスラウンジにおける料理のラインナップとしては悪くありません。
バーコーナーもありカクテルも作ってくれるとのことなので「ユズエスプレッソ」を注文。製法を凝視していると、エスプレッソコーヒーをファンタオレンジ的な炭酸ジュースで割っており、これが口に合わないを通り越してハッキリ言って不味かった。
搭乗時刻が近づいたのでゲートへと向かいます。2024年3月に品質大劣化のJALをサヨナラし、そこから暫く力を溜め、2025年からANAのダイヤモンドに仲間入りさせて頂きました。
今回は昼間の便、かつ、飛行時間も6-7時間程度だからか、ビジネスクラスと言えども割に簡素なシートでした。フルフラットにもならず、東海道新幹線のグリーン車のほうが立派かもしれません。
アペリティフはシャンパーニュ、アミューズに鴨とピスタチオのテリーヌにクリームチーズのタルト。機上は味覚や発泡がおかしくなるので食事は味気ないものになりがちですが、それでもやはり、機上で口にするものとしては上々の仕上がりです。
コースは洋食でお願いしました。前菜にマグロやホタテ。繊細な調理および調味は諦め、素材を全面に押し出した料理であり、分かり易い味覚です。
メインはロブスターと白身魚のソテーを選択。こちらもドッカーンとロブスターを置いた豪快な作品で、ムッシャムッシャと贅沢なひと時。以前は特大のステーキで舌鼓を打ちましたが、最近のANAの機内食は素材に潔くなってきている気がする。
もう少し食べれそうだったので「果実とスパイス香る ヴィーガンカレー」をデザートの前に挟んでもらいました。「精進料理 醍醐」が監修しているそうで、これがなかなか、いやかなり美味しいです。ヴィーガンでもこれだけ美味しいのであれば、ヴィーガンになるのも悪くないなと思えてきました。
デザートはチーズに替えて頂きました。これまでの料理の方針を引き継いでおり極厚です。ペラッペラの「フロマージュ」を出す代々木のフランス料理店は見習ってほしいところです。
〆に旭酒造がニューヨーク州で作る「DASSAI BLUE」を頂きました。軽快な口当たりで南方系の果物のニュアンスを感じさせます。やや甘味が強すぎるきらいがあり、合わせる料理は選ぶかもしれませんが、その品質は日本で造る日本酒に勝るとも劣らず。最近ではアーカンソー州で山田錦の栽培に取り組んでいるそうです。旭酒造(2025年6月に「獺祭」へ社名変更予定)の社長は70歳を超えているというのに、すごいチャレンジ精神だなあ。尊敬する。

食べログ グルメブログランキング
人気の記事
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。