間悪のいことにバンコクにいます。

間の悪いことにバンコクに居ます。その時わたしは「ハイアット プレイス バンコク スクンビット1(Hyatt Place Bangkok Sukhumvit 1)」の7階で仕事をしており、かなり長い揺れではあるものの震度は3から4といったところかな、と甘く見ていたのですが、スタッフからジャンジャン電話かかってくるわ非常ベルまで鳴るわで、いったん建物の外に追い出される運びとなりました。
外に出ると避難民は軽い躁状態で、パニックでぶっ倒れて介抱されているオバチャンまでいました。もちろん耐震基準が日本とタイでは大きく異なるので、良くも悪くも地震慣れしている日本人は逆にどうリアクションすれば良いのか困るところです。私はバンコクで救急車で運ばれ入院したこともあり、タイではトラブル続きである。
しかし数十分もすると「そろそろ大丈夫じゃね?マイペンライじゃね?」という雰囲気になり、三々五々に解散。なんせ屋外は37℃の酷暑だ。階段で7階の部屋までに戻り人心地つくと、なるほど壁にしっかりと壁に亀裂が入っていました。ちーん。当館はまだ開業したばかりだというのに。
日も傾きかけたので、今夜の飲みに行く予定の友人に連絡を取ると、何とも余裕のある回答。阪神・淡路大震災も東日本大震災も生き抜いてきた我々は覚悟が違うのだ。人はそれを生存者バイアスと呼ぶ。
再び外に出ると、屋外に避難していた人々の代わりにとんでもない渋滞が生じていました。グレーター・バンコクは1,300万人の人口を誇るというのに都市計画が全くお粗末で(魚の骨のように大通りから支流が伸びており、その支流は全て行き止まりというクソ設計)、道路は完全に動脈硬化の様相を呈しています。
BTS(高架鉄道)も早々に店じまいし、為す術なく座り込む者が後を絶ちません。
示し合わせたようにMRT(地下鉄)も運航を停止しており、帰宅困難者が続出。ただし東日本大震災の時と違って夜になっても25℃超えは当たり前、野宿上等な気候なので、どこかのんびりとした雰囲気も漂います。
覚悟を決めて徒歩で移動する者も多く、車やバイクはもちろんのこと、歩行者ですら渋滞が生じています。帰宅を諦めた勢は明るいうちから飲み始め、そこらじゅうの飲食店が謎に大繁盛していました。
我々がお邪魔したレストランも何事もなかったかのように営業しており、20時を過ぎるともう満員。連れは明日に日本に向かうとのことで、私も社会活動が麻痺したバンコクを諦め別天地へ発つことを決意しました。
翌朝はGrabでスワンナプーム空港へ向かうのですが、呼んでから7-8分でホテルまで車が来、空港までは高速道路を使って42分で到着しました。何ならいつもよりもスムーズなぐらいである。
空港に着いても混乱は見られず、派手な遅延や欠航は見当たりません。「昨日の地震すごかったねー!」的なテンションの人も居なかったような気がします。
試しに空港から市内へ向かうタクシー乗り場を覗いてみると、ごくごく普通の光景、というか割にヒマそうでした。昨夜は陸軍が動き出し、空港から市内への臨時バスを出していたとは思えないほどの静けさです。
空港から市内へ向かう高速鉄道である「エアポート・レール・リンク(Airport Rail Link, ARL)」も普通に稼働していました。なお、この投稿が公開されている頃にはバンコクに居ないため、続く情報を得ることはできないのであしからず。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。