「蒲田餃子御三家」のひとつである「金春(こんぱる)」。京急蒲田駅から歩いてすぐのアーケード街にあり、この日はフライト前のランチにお邪魔しました。ちなみに「蒲田餃子御三家」とは「你好(ニイハオ)」「歓迎(ホアンヨン)」「金春」であり、「你好」の創業者であるムッシュ八木の兄弟や親戚によってそれぞれ創業されたという関係性があるようです。
店内は気軽な居酒屋スタイル、2階は宴会用の個室や円卓が用意されているようです。蛍光灯がギンギラギンに輝き中国語が飛び交う東京サラダボウルの世界。私は週末の昼にお邪魔しましたが、皆、当たり前のように昼間から飲んでいます。
当店は「大連家庭料理」を標榜しており、何でも親族が大連で事業を始め、その暖簾を蒲田に持ち帰ったという経緯があるようです。ちなみに「大連家庭料理」が何かは私は知らない。最初に「スープ付茹で餃子」がやってきました。古典的な中華料理店の古典的なラーメンのスープの中に水餃子が10個浮かんでいます。皮が分厚くモチモチとして美味しい。中には具材由来のエキスなのかスープが張り込んでいるのかジューシーな口当たり。餡はプリプリとした食感で、後を引く美味しさです。
茄子を素揚げしたのち、塩や唐辛子で炒めたものでしょうか。茄子の外皮はサクっと、中身はトロトロ。潔い塩加減で食欲を刺激する味覚です。本題の羽根付き餃子。厚めのモチモチした皮とジューシーな餡が特長的。羽根の部分はスナックのようでパリパリとして楽しい。餡は野菜が多めですが、豚骨白湯スープを混ぜ込んでいるそうで、コクがあります。
油淋鶏はビタンとでっかい肉をそのまま揚げており食べ応えがあります。ザクザクとした食感に甘酸っぱいタレが絡み、ゴハンが欲しくなる味覚です。野菜をたっぷり添えてくれるのも嬉しい。
今回はアラカルトで注文し、いずれの料理も千円前後と懐に優しい。軒先のショーケースに並べられた総菜も飛ぶように売れており、地元民からの支持が伺えます。飲み放題付きのコース料理や3時間食べ飲み放題のプランもあるようで、出張帰りに暴飲暴食するに最適のお店。「台湾式朝御飯 喜喜豆漿(ききとうじゃん)」と並んでフライト前後に是非どうぞ。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン