とんかつ いわい/大門

大門の大人気トンカツ専門店「のもと家」が「とんかつ いわい」としてリブランドオープン。細かな事情は存じ上げませんが、「のもと家」の店長(?)が営業権を買い取ったようです。相変わらず評判は良く、食べログでは百名店に選出されています。
平日の正午頃に訪れ、ビル階段で15分ほど待った後に着席。席が空けばすぐに案内するというよりも、ラーメン二郎的にある程度のバッチ処理で運用しているようです。「小学生未満のお客さまはお断りしております」「現金払いのみです」「一切のお待ち合わせをお断りしております」「少人数様(4名以下)の入店のご協力をお願いします」と注文が多く、ハードボイルドなトンカツ屋さんです。
私は「トリオ定食」を注文。ロース120g、ヒレ60g1枚、海老1本が盛り込まれて3,500円です。この他に山盛りのキャベツと具沢山の豚汁、ゆず大根、大盛無料のライスが付きます。
このエビフライは見事ですねえ。特大で弾力のある海老とサクサク衣が絶妙のバランス感覚をみせ、上質な天ぷらを食べているかのようです。たっぷりのタルタルソースも美味しい。山盛りのキャベツには自家製の大葉ドレッシングが良く合う。トンカツに入る前に満足しつつある私。
こちらはヒレカツ。当店の豚肉は鹿児島の「六白黒豚」という希少な黒豚を使用しているそうで、肉質が柔らかく、脂身のクセを殆ど感じさせません。どこまでもしっとりとした質感であり、噛むほどに味わい深い。
こちらはロース。脂身からは仄かな甘みが感じられ、肌理が粗くサクサク感の強い衣と共に品の良い味わい。茎ワサビをちょこんと乗せ、鹿児島のサクラカネヨ謹製の甘口醤油と共に口に含むと、トンカツのバウンダリーを超えた新たな料理の可能性を感じさせます。
ゴハンは大盛でお願いしました。マンガのような大盛で腰が引けましたが、「トリオ定食」のオカズ量であれば相手にとって不足はない。今夜は晩ごはん抜きにしよう。
豚汁にも六白黒豚を用いているそうで、とにかく具沢山で大満足。味噌にはやはりサクラカネヨのものを用いているそうで、このクオリティでおかわり100円というのは出血大サービスでしょう。
お口直しとしてサッパリとしたとしたゆず大根も付きます。こちらも丁寧に漬けられており、定食としての完成度の底上げを担ってくれます。
大満足でした。「のもと家」時代に訪れた際はパっとしなかった印象ですが、それは単に私の体調がパっとしていなかっただけなのかもしれません。数年あいだを空けて再訪すれば劇的に印象が変わるのが飲食店巡りの面白いところ。この日の私は終始ゴキゲンでニコニコしていた。

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私は「とんかつ」という料理をそれほど好みません。だって、豚肉を脂で揚げるだけじゃないですか。それなのに、行列するは調理に時間がかかるわ結構高いわで、積極的に取り組もうとしないのです。したがって、私は物凄く「とんかつ」ならびに「とんかつ屋」について、検察官のようにシビアに評価しています。思い入れが無い分、信憑性は高いかもしれません。

トンカツだけでなく揚げ物全般について注力した興味深い本。トンカツを単なる洋食系の揚げ物から偉大なごちそうへと昇華させる秘訣が惜しみなく紹介されています。写真を眺めているだけで腹が鳴る。