America Fest(アメリカフェスト)/嘉手納空軍基地

沖縄県の嘉手納空軍基地(Kadena Air Base)で開催される米軍主催のイベント「America Fest(アメリカフェスト)」。地元住民と米軍関係者との友好を深めることを目的とした基地の一般開放行事であり、かつては「嘉手納カーニバル(Kadena Carnival)」として知られていましたが、2001年に現在のイベント名に変更されました。2014年以降は中断していましたが2023年に復活し、その際は7万人ものゲストが来場したそうです。
嘉手納基地とは沖縄県中頭郡嘉手納町、沖縄市、北谷町にまたがる在日米軍の空軍基地のこと。正式名称は「嘉手納空軍基地 (Kadena Air Base)」で、太平洋地域におけるアメリカ空軍の主要拠点のひとつとされています。羽田空港よりも広く、約2万人の軍人や家族が暮らしており、近くの「道の駅かでな」の展望台から基地を一望することができます。
イベント入口は自家用車向けと歩行者向けの2か所あるのですが、前者は入場・駐車するための渋滞が酷く1時間待ちはザラ。退場にも時間を要します(画像はイベント公式ウェブサイトより)。
他方、歩行者向けのゲートはスイスイです。コザや北谷の街からタクシーで2千円程度なので、待ち時間を考えればコチラのほうが断然オススメです。なお、入場時には身分証明書などの提示や持ち物検査を求められ、そのルールも毎年変更される恐れがあるので、事前に公式ウェブサイトを確認してから訪れましょう。
イベントは嘉手納基地内のフライトライン(滑走路エリア)で開催されます。目玉は航空機の地上展示であり、第18航空団をはじめとする様々な部隊の航空機がこの日のために集結していました。
米軍だけでなく航空自衛隊の航空機も飛来しています。ただ、やはりこの日の主役は米軍機なので、空自の集客はイマイチ。那覇県警はどさくさに紛れてパトカーのデモンストレーションを行いながら警察官を募集していました。
悪名高いオスプレイ。開発段階から墜落事故が多発し、「未亡人製造機(Widow Maker)」という異名を取るようになりました。これ1機だけで約200億円近くするそうです(諸経費込み)。
気前よく機内にも案内してくれます。内部は8畳間ほどの広さであり、折り畳み式のキャンバス製座席が両側に並び、中央に荷物を固定するフックやネットなどが備わっています。色んな計器や配線が並び、ひとつひとつにきちんと意味があるのが驚きです。素人ではとても把握し切れない。
こちらは地対空ミサイル的な何かでしょうか(私はこのあたりの知識が全く乏しい)。このように、航空機だけでなく地上で活躍するブツや軍人が身に着ける装備品の試着、救命救急のワークショップなども開催されます。
目の前でヘリからの降下訓練をやってのけるなど、ファンサが充実しています。戦闘機(?)が爆音で飛び回るタイミングもあり、耳栓の持参が推奨されていたりもします。
ファンサと言えば、米軍のみんなたちもアバクロ顔負けのポーズを取ってくれます。記念撮影やサインに応じる者も多く、米軍の誰もがミッキーマウスになり得るイベントです。ちなみに写真はアメリカで開発された「M777 155mm榴弾砲(Howitzer)」で、最近ではウクライナにアメリカから供与され、重要な火力支援兵器として活躍しているそうです。
フードの販売も活発で、アメリカにおける一般的なお祭りに比肩する品揃えです。各ブースでは、現金(米ドルまたは日本円)と主要なクレジットカードが利用可能で、1ドル150円換算のお店が多い。また、アルコール購入時に身分証明書の提示を求められるのは流石アメリカといったところです。
試しにいくつか購入しました。航空機の翼の日陰で飲み食いするのが定番です。ただ、肝心の味ですが、ピザ(ピッツァではなくピザ)は冷凍モノをオーブンで焼いただけのものでパっとしません。ビールもサーバーのメンテナンスが悪いのか酸味と雑味が強く不味かった。飲食物についてはお店のラインナップを含め、横須賀の「ネイビーフレンドシップデー」のほうが気合が入っているように感じました。
来場者のために仮設のトイレと手洗い場も用意されており、このあたりのロジに抜かりはありません。その他、野外ライブステージやスポーツゾーン、プロレスリング、ゴーカート、移動式遊園地なども設営されており、たった2日間のイベントのために途方もない労力を割く米軍のスケールの大きさに圧倒されました。
私は取り立てて航空機や軍事に詳しいわけではないのですが、純粋なイベントとして素直に楽しむことができました。横須賀の「ネイビーフレンドシップデー」とは雰囲気が全く異なるのも興味深い。それが空軍と海軍の違いなのか、沖縄と神奈川の違いに因るのかは知らない。

いずれにせよ、沖縄旅行のタイミングさえ合えば是非とも訪れたいイベントです。沖縄における春の大型イベントとして記憶に留めておきましょう。

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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。