Le Studio(ル ストゥディオ)/代々木公園

代々木公園交番前の交差点に佇む「Le Studio(ル ストゥディオ)」。久しぶりに心から気に食わないレストランにエンカウントしたので、そういった荒っぽい記事が苦手な方は今のうちにそっ閉じして下さい。
店内は壁一面がガラス張りとなっておりインパクト絶大(写真は公式ウェブサイトより)。我々はディナーにお邪魔しましたが、ランチタイムであれば代々木公園の気持ちの良いグリーンが目に飛び込んでくることでしょう。
ハコは悪くないですが、サービスの性能は非常に低い。全員体入なのかフランス料理店として当たり前の対応すら不調なレベルです。例えばこのワインのことを「ブルゴーニュのクローズエルミタージュ」という謎製品に仕立て上げた上、グラスを使い捨てナプキンの袋の上に置き、すげえグラグラさせてきました。お前これ気にならないの?
アミューズにつき「12年熟成させたコンテチーズを練り込んだグジェール」という特級呪物をぶちかましてきました。パテについての説明も「これは岩中豚というお高い豚を使っておりまして~」と、ボキャブラリーの程度が草を通り越して森です。
ヒラメをどないかしたものとマッシュルームなのですが、「この無農薬のマッシュルームは無農薬で栽培しておりまして~」と謎のトートロジーが繰り広げられ四捨五入進次郎。ちなみに肝腎の味ですが、披露宴の干からびた前菜のようなニュアンスが感じられました。
パンについては「無料でおかわりできますので~」と、他所のフランス料理店とか行かないのかな、いや勿論その通りではあるのかもしれませんが、やはりところどころ言葉選びのセンスが変です。
フォアグラのポワレも披露宴風の仕上がりであり、からあげクンレッドのほうが余程美味しい。こんなことなら無理にフォアグラなんて難しい食材を取り扱わなければ良いのに。
魚料理もやはり退屈な味わいです。ジャガイモを用いてウロコに見立てているそうですが、緻密にパッとしない料理を作るよりも、ざっくりと美味しい料理を作る時代が来れば良いのに。
メインは鳩をチョイス。肉そのものは悪くなく、前述のブルゴーニュのクローズエルミタージュに良く合います。「リゾットは、ポルチーニというクセの強いキノコを使っておりまして~」と、いちいち言葉選びが変。クセ強いのお前だから。また、デザートのことを「デセール」、チーズのことを「フロマージュ」と呼ぶくせに、どうしてポルチーニはポルチーニ、マッシュルームはマッシュルームなんだという引っ掛かりもあります。
自慢の「フロマージュ」は左からゴルゴンゾーラ、ブリ、コンテと、学生の宅飲みのように貧しい。こんなに有害無益なラインナップを薄く薄く丁寧に盛りつけた店は有史以来はじめてかもしれません。
こちらは自慢の「デセール」で、「今が旬のイチゴを使っています!」と大いばり。いやイチゴの旬って本来は初夏だから。いま大寒波来てるから。
以上を食べ、ワインを「マリアージュ」してもらってお会計はひとりあたり2万円弱。完全にダメな披露宴料理であり、サービスのレベルも駅前でADSLを配ってる方々と大差ありません。これなら「俺のビストロ 渋谷」のほうが断然レベルは高く、支払金額は3分の1程度で済みます。

今回は店を咎めることばかり記載してしまいましたが、それだけ私も辛い思いをしました。どうにも物足りないので、このあと餃子を食べて帰りました。そのとき傘を無くしました。

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