割烹しなとみ/神宮丸太町(京都)

京都御所東の「割烹しなとみ」。店名は地名そのまんまであり、神宮丸太町駅または市役所前駅から歩いて10分ほど。コース料理はもちろんアラカルト注文にも対応してくれる、感じの良い割烹です。
店内はカウンターに7-8席に加えて個室も用意されています(写真は食べログ公式ページより)。公式に「回転はさせておりませんのでどうぞごゆっくりお過ごしください」と表明しているのが嬉しいですね。髙橋集一シェフは祇園の割烹などで経験を積み、2021年に当店を開業したそうです。
寒い日だったので、まずは甘酒。アルコールは飛ばしていますが、お米の風味をこっくりと楽しむことができます。ちなみに飲み物は瓶ビールやグラスの日本酒が千円程度だったと記憶しています。
葉牛蒡のお浸し。葉牛蒡特有の土の香りとほろ苦さが、口の中に広がり、春の訪れを感じさせてくれます。お野菜のエキスがお出汁によくでているのが良いですね。
蛤青海苔あん。蛤の美味しさはもちろんのこと、圧巻は青海苔。気前が良いをと追い越して不安になるほどの青海苔量であり、この日、世界で一番青海苔を摂取したのは私かもしれません。
お造りはタコ、タイ、マグロ。いずれも天然の上質なものであり、塩や醤油などちょろっとで充分。とりわけタコが良かったです。ちなみにタコには脳が9個ありますこれ豆な。
焼き物はフグ。淡白と思いきや、フライドチキンのように迫力のある味覚であり、酒が進む進む。独特の食感と旨味があり、焼き物にすることで香ばしさが加わります。
白子も登場。立ち上る香ばしいかおりが食欲をそそり、口に入れた瞬間に、とろけるような食感が広がり、幸福感に包まれます。こちらも日本酒一択だ。
フキノトウの茶碗蒸し。独特のほろ苦さと爽やかな香りが口の中にふわりと広がり鼻から抜けていきます。しっかりしたボディのお出汁も素晴らしい。
カラスミ餅。といってもその殆どはカラスミであり、酒が進んでしょうがありません。餅のもちもちとした食感とカラスミのねっとりとした舌ざわり、海苔の磯っぽい香り。カラスミの濃厚な旨味と餅の優しい甘さが絶妙に調和した、日本ならではの珍味です。
山菜の天ぷら。それぞれの山菜が持つ独特の香りと苦味が口の中に広がり、春の訪れを感じさせてくれます。丁寧に揚げられた天ぷらの衣は、サクッと軽く、油っぽさを感じさせません。
京都産の牛肉の炭焼き。きめ細やかな肉質ととろけるような脂が特長的で、表面は香ばしく、中はジューシー。これだけでも立派な味わいなのに、、、
上質なウニが脇を固めます。肉の上にウニをのせ、ソースのようにして楽しむという道楽的な味覚です。
蟹あんかけ御飯。蟹の旨味がたっぷりと溶け込んだ、とろりとしたあんが食欲をそそるひと品。カニの美味しさは当然として、ゴハンそのものが美味しい。こちらのメニューのほか、ヅケ丼や土鍋での炊き込みご飯なども用意されており、次回はそれらを試してみたいと思います。
湯葉がたっぷり入っており、ほとんど湯葉かもしれません。とろけるような湯葉の食感と味噌の優しい味わいが調和した、心温まるひと品です。
デザートは苺とラムレーズンのアイス。苺の甘酸っぱさとラムレーズンの芳醇な香りが絶妙に調和した、大人の味わいのアイスです。なめらかでとろけるような口どけで、苺の果肉とラムレーズンの食感がアクセントになっています。

以上のコース料理が2.2万円で、酒やらなんやらで2.6万円。フグやら牛やらウニやら高級食材をたっぷり楽しんでこの支払金額はリーズナブル。この日はコースでお邪魔しましたが、次回はアラカルト注文で好き放題に注文したいと思います。これこそ京都の割烹の醍醐味だ。

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