PRIMO PASSO(プリモ パッソ)/築地

2023年5月にオープンし、パスタだらけの糖質オンイタリアンとして名を馳せた「PRIMO PASSO(プリモ パッソ)」。場所は新富町駅から徒歩2分ほどで、築地駅からも近い。ミシュランでは1ツ星を獲得しています。
店内はカウンター8席と個室がひとつ(写真は食べログ公式ページより)。インダストリアルなキッチンと木目の温かい客席の対比が面白く、また、所々お花が飾られていてかわちいです。

藤岡智之シェフは鮨屋の倅でありつつイタリアンの傾倒し、ナポリのミシュラン3ツ星レストラン「クアトロパッシ」でパスタの責任者まで務めたそう。予約は「OMAKASE」からのみの2回転制ということで、イマドキのちょづいた輩と思いきや、料理とゲストに真っ直ぐに向き合うナイスガイでした。
ボトルの値付けが高めだったので、アルコールは9,900円の9種ペアリングをお願いしました。シェフの料理にきちんと寄り添うチョイスでセンス良し。欧米系の料理に日本酒や梅酒を合わせるのはもともと好きじゃないのですが、当店の組み合わせは成程と膝を打つものなので、ソムリエを信頼してペアリングで臨むと良いでしょう。
ホワイトアスパラガスとホッキガイとハッサクの茶碗蒸し。ホワイトアスパラガスの優しい甘みと柔らかな食感が、滑らかな茶碗蒸しのベースに溶け込んで、口の中でふわっと広がります。貝のコクが卵のまろやかさと調和し深みが生まれます。
揚げピザの中には3種のチーズがたっぷり。熱々をかぶりつくとトローリびよーんとチーズがたっぷりで、童心に帰る楽しさです。生ハムはシルクのような口当たりで、程よい塩気が乳脂肪のコクに良く合う。
さっそくパスタに入ります。まずはキンキンに冷やしたカペリーニ。魚介のお出汁がきいていて、どこか和風の、誤解を恐れずに言えば素麺のような懐かしさが感じられます。真鯛や菜の花など春を感じさせる味覚も洒落ています。
トロトロのカブにメジマグロ。カブの穏やかな甘味にメジマグロ特有の濃厚な旨味が加わり、優しさとパンチの効いた美味しさが共存します。とりわけメジマグロの赤身と脂のバランスが絶妙です。
リングイネはトマトソースで。シンプルな料理ですが、その分トマトの魅力がダイレクトに伝わります。甘酸っぱさをベースとしつつ、フレッシュで陽キャな風味が口の中で広がります。あわせる梅酒もソースのように感じられ、一本取られた食体験。
パンはブリオッシュ風であり、サクっとした口当たりが心地よい。先のトマトソースを拭って食べて、これだけで立派なごちそうです。
ニョッキは「紅はるか」というサツマイモを用いています。自然な甘みが自慢で、ほんのりスイートでクリーミー。舌触りが滑らかで、どこか素朴な美味しさ。そこへ卵と黒トリュフの最強タッグが覆いかぶさり、実にリッチな味わいに。
リゾーニ。小さなパスタの一種であり、たっぷりのお出汁と共に洋風の雑炊のような装い。パスタらしいもちっとした噛み応えがありながら、スルスルと胃袋へ収まっていきます。そこにたっぷりと毛ガニが!身はふわっと柔らかく、味の次元がぐんと上がります。
当店流の生ハムメロン。コンドームのように薄く切った生ハムに、ジュクジュクに熟したメロンをのせ、ミントのグラニテを散らします。口に入れた瞬間に溶けるような柔らかさ。ジューシーでとろけるような果肉が舌に広がりつつ、ミントの清涼感が一気に口の中をリフレッシュ。
メインは「美笑牛(びしょうぎゅう)」という千葉県産のものだそうで、赤身に深い味わいがあり、脂は上品でしつこくなく、どこかハーブのようなニュアンスが感じられます。肌理も細やかで、赤身と霜降りのバランスが程よい。
〆の炭水化物も勿論パスタ。カプチーノ風の泡泡の中には、、、
卵たっぷりの自家製パスタ。こちらも魚介の出汁がきいており、ややもすると前衛的なラーメン店の料理でもあります。量も自由に指定できるのが嬉しいですね。私はもちろん大盛です。
デザートは質実剛健な味わいで、イチゴの甘味と酸味が前面にありつつジェラートのリッチな乳脂肪が全体のバランスを整えます。なんかずっと糖質摂ってるけど私のお腹周り大丈夫そ?
小菓子もトドメだと言わんばかりにパンパンにクリームが詰まっており、満足感この上ありません。それでも甘味は控えめで、思いのほかサッパリすらすらと胃袋に収まりました。

以上を食べ、ワインのペアリングを付け、サービス料やら何やらでお会計はひとりあたり3万円弱。イマドキのレストランでいくら請求されることやらと縮こまっていましたが、この質および量で3万円切りなら万々歳。麺好きの日本人にとっては堪らないお店。季節を変えて、またお邪魔したいと思います。

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