那覇市壺屋に2023年3月にオープンしたイタリアンレストラン「BELLA ISOLA(ベッラ イゾラ)」。便利な場所ではあるのですが国際通りから離れているため、観光客は殆どおらず落ち着いた雰囲気です。店名はイタリア語で「美しい島」なので、「ちゅら島」にかけているのかな。
店内はカウンター風の横並び席とテーブル席が用意されており、トータルでは20席弱といったところ。木材を多用しつつアクセントカラーに青を用いており、南イタリアを感じさせるカジュアルな内装です。
岡野雅シェフは沖縄の大学を経て日本国内のイタリアンレストランで腕を磨きイタリアへと渡ったそう。その経験を活かし、帰国後に当店を開業しました。
ワインリストはカジュアルなものから中々のお値段のものまで幅広いラインナップ。こちらのボトルは4,200円なのですが、謎にカデルボスコが1.5万円だったりもするので、ゲストの選球眼が試されるところです。
前菜盛り合わせ。カルパッチョにはシューマチ(スジアラ)を用いており、沖縄の空気を感じさせてくれます。ただ、これで2人前であり、もうちょっと量が欲しいところ。何なら1人前ぐらいでちょうど良さそうです。
セーイカ、揚げじゃが、オレンジのサラダ。こちらも味は悪くないのですが、量が少なく提供速度も遅い。周りを見渡せばゲストの誰もが料理を待っている状態であり、時間に余裕を持ってお邪魔すべき店だと理解しました。島ダコとムール貝の煮込み。こちらもそこそこ美味しいのですが、量が少なく遅い。どうしてこんなに小さなポーションでアラカルト注文を受けるんだろう。「ビストロ グロワール(Bistro gloire)」のように、料理人はひとりでも量を多くすればゲストの間は充分に持つのにな。
スパゲッティは魚介ラグーのトマトソース。魚介の旨味が凝縮されたラグーがトマトの酸味と絡み合い、海の香りが広がります。パスタとの相性も抜群で本日一番のお皿でした。島豚ロースのナポリ風カツレツ。こちらもビジュ通りの味わいでそこそこ美味しいのですが、やはり時間がかかりすぎであり、量も少ない。近くの「とんかつ 小やじ」のほうが美味しいし大きい安いし早いことを考えると、思うところがありました。やはり待たされると余計ことを考えてしまうから良くないですね。
お会計はひとりあたり7千円ほど。これは途中で見切りをつけて退店した結果であり、きちんとお腹いっぱい食べれば1万円を超えそうで、那覇でのイタリア料理としては割高に感じました。これでは近所の「FABBRICA DEL SOLE(ファッブリカ デル ソーレ)」と比べられてしまうだろうなあ。

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イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。