蹴上駅から歩いてすぐの「ウェスティン都ホテル京都」のメインダイニング。「ドミニク ブシェ キョート ル レストラン (Dominique Bouchet Kyoto Le RESTAURANT)」。東京でも彼が監修する店が展開されており、ミシュランの星を獲得しています。
エントランスから店内へと続くアプローチ、ダイニングエリアに至るまで全てに余裕のある設計です(写真は公式ウェブサイトより)。子連れNGですが個室であればOK。ドレスコードとして「男性のお客様にはジャケットの着用をお薦めします」と記載されていましたが、Tシャツの外人も普通に通していました。
京都を代表するラグジュアリーホテルながら、ワインの値付けはかなり良心的。ペアリングでお願いすることも可能ですが、相場をご存じなのであればボトルでの注文が良いでしょう。サービス料は15%と背筋が伸びるのですが、全て込み料金なのが精神衛生上とても良い。
アミューズから凝っていて、程よく塩気がきいてシャンパーニュが進みます。豚足のコロッケみたいなやつがとりわけ心に残りました。
アミューズに「雲丹とキャビアを添えたオマール・ブルーのジュレ」。高級食材フルコンボといった贅沢なひと品。それでも決して下品ではなく、それぞれの食材が持つ個性を最大限に引き出しながら互いを引き立っており、計算されたバランスを感じました。
パンは数種類が提供され、いずれも素朴な味わい。全体を通してソース強めな芸風なので、これぐらいのシンプルなものでちょうど良い。「野菜のシンフォニー:冬」。その名の通り冬野菜が交響曲さながら見事に調和しています。ある意味では素朴な料理なのにとても美味しい。世の野菜嫌いに食べてもらいたいひと品です。
「オマールのパルマンティエ ブール・オ・キャビア」もフレンチ2大スターが共演する料理ですが、フワフワと仕上げたジャガイモが全体を上手く取りまとめています。ソースはコッテリとしつつ酸味も感じられ、完成度の高い料理です。
お魚料理は「ほうれん草を纏ったクエとホタテのブーダン ソース・アグリューム」。クエとホタテをブーダン(ソーセージ)に見立ててホウレン草で包んで蒸し上げたもの。ふっくらとした食感と上品な甘みが際立ち、白身魚の王者といった味わいです。
メインは選択制で、私はスペシャリテの「牛テールの煮込み トリュフ入りじゃがいものピュレ」をチョイス。なのですが、まっ茶色でとにかく映えない。美味しいは美味しいのですが、ビストロならまだしも高級レストランで食べるにはロマンに欠けるひと品でした。
ちなみに連れが注文した「亀岡牛のロティ アール・ブリュットスタイル:冬」は色々とロマンティックで羨ましい限りです。アヴァンデセールにミカンを用いた氷菓。これが思いのほか美味しくって、そのへんのレストランで雑に出されるグラニテとは一線を画す味わいであり、これ単体で立派なスイーツとして成立しています。
メインのデザートはイチゴとレモン、ココナッツを駆使したひと品。イチゴの甘酸っぱさ、レモンの爽やかさ、ココナッツの豊かな風味が組み合わさり、多彩な表情が感じられます。さっきから当店の甘味は素晴らしいですね。パティシエが凄腕に違いない。
お茶菓子はワゴンから好きなものを好きなだけ。焼き菓子程度と思いきや、オペラのようなややこしいケーキまでミニサイズで用意されており、そのいずれもが美味。やはり当店のパティシエは凄腕である。握手したいくらいだ。

食後のお茶を楽しんでごちそうさまでした。以上のコースにワインやらなんやらと楽しんでひとりあたり4万円。ラグジュアリーホテルの、トップシェフが監修するレストランでこれだけ楽しんでこの支払金額は実にお値打ち。旅行者は皆、日本料理を食べに出るのか良くも悪くも空いており、京都高級レストラン界隈の穴場と言えるでしょう。オススメです。

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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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- ガストロノミー ジョエル・ロブション (Joel Robuchon) ←やはり完璧。
- La couleur d'ete(ラ クルール デテ) ←選んだ孤独は良い孤独。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
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