栄町の「Le bistro よっちゃん亭」。シェフは沖縄県を中心に出張料理やケータリング、イベント、料理教室などで長く活躍されている方で、ひと晩1-2組限定でリアル店舗を営業されています。
お店に入ってすぐはバーエリアで、以前はちょっとした立ち飲み屋も併せて営業していたそう。現在はシェフのワンオペで、奥のコの字型カウンターエリアのみでの営業です。特に決まったメニューは無く、予約時に食べたい料理や苦手な食材、予算等をお伝えするといったオーダーメイド方式です。
ワインもペアリングでお出し頂けます。特定のエリアというよりは価値が価格に見合った作品を世界中から満遍なく取っているという印象です。
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前菜から絶品。軽く火を通したホタテにカリフラワーのムース(?)と生のカリフラワーを散らします。ホタテの自然な甘みと旨味とカリフラワーの土っぽい風味が良く合います。
白子とスイスチャードのバター炒め。それぞれの素材が持つ個性をバターが優しく包み込み、アーモンドが香ばしさを添えることで、見事な調和を生み出しています。白子はクリームのようにとろけるような滑らかな舌触りで、バターでソテーすることで、白子の甘味がさらに引き立ち、コクと香りがプラスされます。
お魚料理はメカジキ。身が厚くしっかりとした歯ごたえ。表面のギザギザはジャガイモの千切りで、カリッと焼き上げガレット調。外はカリカリ、中はホクホクとした食感で、メカジキのしっとりとした食感とのコントラストが絶妙です。
メインディッシュはマグレ鴨。しっかりと引き締まった肉質と濃厚な旨みが特長的で、野性味あふれる味わい。濃厚なソースに負けない肉の味の強さであり、金柑由来の酸味と甘みも程よいアクセント。
デザートはチーズケーキをグラタン風に仕上げました。チーズの濃厚なコクと仄かな酸味が心地よいソースをグラチネすることで、表面はカリッと香ばしく、中は滑らかな口当たり。卵黄を基調として泡立てたサバイヨンソースが、コクと芳醇な香りを添えます。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計は1.5万円。栄町での食事としては決して安くはありませんが、料理の質、サービス、雰囲気を考えると、十分に納得できるものです。シェフとの会話も楽しみのひとつであり気さくに接してくれるので、まるで自宅に招かれたような温かい雰囲気の中で食事を楽しむことができました。オススメです。

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