ブルネイの老舗の中国料理店「Thiam Hock Restaurant(添福餐馆)」。東南アジアでおなじみのフィッシュヘッドカレーが自慢です。「ザ・モール・ガドン(The Mall Gadong)」のすぐ裏手にあり、駐車場もあってDartの乗り降りがし易いです。
お店は2階建てで、1階はカジュアルなダイニング、2階はちょっと豪華なお食事会のための空間のようです。英語は普通に通じる、というか私の100倍流暢であり、料理のサイズなど細かな相談にものって下さいました。アルコールは当然置いておらず、フレッシュジュースも無いとのことだったので、中国茶を注文。「お茶のメニュー?ないないそんなの、すぐにあったかいの持ってくるよ」的な調子で、おそらくは無料でサービスされるのでしょう。スレッズで「なんでドリンクを注文しないんだ!」と発狂している日本の飲食店主に御覧に入れたいです。
こちらはお通しなのかサービスなのかわかりませんが、オーダーを済ますと同時に瞬で供されました。いわゆる日本の「なます」的な味わいであり、懐かしい酸味が感じられます。
主題のフィッシュヘッドカレー。半年前にジョホールバルの有名店「Kam Long Ah Zai Curry Fish Head(金龍咖喱魚頭)」でハマって以来、あれば注文するという姿勢で臨んでいます。JBでのそれとは異なり辛味は穏やかで魚そのものの風味を楽しむスタイル。そのぶん価格も中々のもので、このひと皿で35ブルネイドル(約4千円)もします。
ひとりひと皿ごはんが回され、カレーを自由に取り分けて頂きます。飯盒炊爨を想起させるライブ感。魚や野菜のエキスがココナッツミルクに溶け込み、複雑な味わいを堪能します。
店のオバチャンが「野菜料理ならコレが人気だ」と太鼓判を押す「Special Kailan Fried」。中国料理でよく使われる「カイラン」という野菜を用いた料理であり、葉(?)の部分をザっと揚げて合って、苦みのある海苔のようなニュアンスが感じられ乙な味。茎の部分は太く、全く別の野菜を食べているかのよう。まだまだ知らない料理が沢山あるなあ。
以上を2人でシェアし、合計額は52ブルネイドル(約6千円)。気楽なフィッシュヘッドカレーに比べると値は張りますが、品があり、内容に見合った値付けです。ちなみにフィッシュヘッドカレーを始めとした大皿は特別な料理のようで、オカズとゴハンのセットみたいなのは10ドル以下で楽しむことができます。お気軽にどうぞ。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。