2024年冬にマークシティ裏にオープンした「俺のビストロ渋谷」。人気のイタリアン「タロス(Tharros)」の地階に入居します。「俺の~」シリーズはデビューしたての頃にいくつかお邪魔したのですが良い思い出がなく、10年以上ぶりにお邪魔する運びとなりました。
店内は思いのほか広く、100席近くありそうです(写真は食べログ公式ページより)。薄暗いファミレスのようななインテリアであり、かなり割り切ったテーブル配置に感じました。スタンディング席もあり、そちらではテーブルチャージは不要とのこと。
お酒はびっくりするほど安いですねえ。グラスワインは600円台から始まるのですが、何と写真のローランペリエがボトルで7,700円で提供されていました。酒屋で買うよりも安く、脊髄反射で注文です。ホテルとかで飲めば2万円近く請求されるぞマジで。前菜盛り合わせ。オリーブのマリネにトリュフで香りづけしたナッツ、キャロットラぺ、きのこのマリネ、ウフマヨ。ビストロ定番のツマミが勢ぞろいで、秒で供出されるのも嬉しい。
フレッシュマッシュルームのサラダ。グリーンサラダのシャキシャキとした食感と、生のマッシュルームスライスの独特の歯ごたえが絶妙のバランスを奏でます。酸味のきいたドレッシングにチーズの旨味も加わり、バランスのよいサラダです。
パテ ド カンパーニュは極めて厚切り。ナイフを入れた際のあのずっしり感と、口に入れた時の食べ応えが堪りません。豚肉の旨味と脂身の甘み。フランス料理っていいよなあと再認識させてくれる逸品です。
パンは自家製で、素朴ながらも小麦の風味がよくきいて美味しい。この客単価でこのクオリティのパンを出す店は珍しい。金華イワシのタブレ。宮城県金華山沖で、最も脂のノリが良い時期に限定して水揚げされる真イワシを「金華イワシ」と呼ぶそうで、なるほど脂がのって、とろけるような舌触り。サラっとした調味のクスクスをゴハン代わりに頂きます。
四角いアジフライ。どうやって成型(カット?)しているのかは存じ上げませんが、フィナンシェというか海老パンというか、本当に長方形です。 外はカリッとした食感、中はホクホクでジューシー。サンセバスチャンあたりのバルで出てきそうなひと品です。
メインは仔羊のTボーンステーキ。そういった呼称で食べることは少ない食材ですが、ダイス状にカットされて供出されるのでTボーン感に乏しい。それでも味わいは堂に入ったものがあり、ジューシーでコクがあり、それでいてきめ細やかで上品な味わい。シンプルな調味であり、肉の味そのものを楽しむことができました。
以上を食べ、泡を2人で1本飲んでお会計はひとりあたり7-8千円といったところ。これは当店の中では高めの酒を飲んだ結果であり、普通に飲み食いすれば5千円程度に落ち着きそう。これだけのクオリティの料理を楽しんでこの支払金額は実にお値打ち。「俺の~」シリーズに対する見方が変わりました。次回は同じ渋谷にオープンした「俺のイタリアン 渋谷」にお邪魔したいと思います。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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- ガストロノミー ジョエル・ロブション (Joel Robuchon) ←やはり完璧。
- La couleur d'ete(ラ クルール デテ) ←選んだ孤独は良い孤独。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- elan(エラン) ←表参道のナポレオン。
- 銀座 大石 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- エルヴェ(eleve) ←アラカルトでもコースでも自由自在。
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- エステール(ESTERRE) ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。