松尾香辛料(まつおこうしんりょう)/松尾(那覇)

「牧志公設市場」あたりの猥雑な飲み屋街に位置する「松尾香辛料(まつおこうしんりょう)」。2023年にオープンした新しいお店であり、すぐ近くの「まいすく家」の系列店のようです。
店内は変わった構造で、カウンター席とテーブル席が壁や柱で区切られて並んでいます。意図して建築したものではないとは思いますが、結果として半個室のように楽しむことができて居心地が良い。
ドリンクはオリオン生が450円と、これぞ那覇・これぞ牧志な価格設定です。スパイスやハーブを駆使した自家製酒も用意されており、変わり種を色々と楽しむことができます。とても楽しい。
「おばんざい5種盛り合わせ」のひとつであるミネストローネ。那覇といっても冬場の夜は10度に迫るほど冷えるので、この暖かさはありがたい。
「おばんざい5種盛り合わせ」の続き。いずれも一風変わった調味であり、自家製酒と合わせて異国情緒(?)を楽しみます。
ラム肉のチリコンカン。ラム肉特有の香りが、チリコンカンのスパイシーな味わいに深みを与えます。牛肉や豚肉とは違う、ちょっとワイルドなコクがある。各種のスパイスがラム肉の臭みを消し、食欲を刺激する風味をプラスします。
モロッコ風スパイス春巻き。スパイスが織りなす複雑な香りが独特の風味を生み出します。周囲の猥雑な飲み屋街の雰囲気含めてエキゾチックな気分に浸ることができます。
スパイスおでん盛り合わせ。おでんダネは伝統的なものですが、そこへスパイスの刺激が加わって、面白いハーモニーを生み出しています。ダシの旨味をベースに奥行きのある味わい。スープカレーともまた違う、新しい味覚です。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は3,000円ほどと、小躍りしたくなる費用対効果の良さ。いずれの料理も創作的ながらきちんと美味しく、興味深い。スパイスカレーを中心としたスパイス文化圏の真骨頂とも言える複雑な味覚です。次回は〆のカレーも試してみたい。オススメです。

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