野菜の酒場。クサワケ/栄町(那覇)

栄町市場の西側のアーケード入り口すぐの場所にある「野菜の酒場。クサワケ」。沖縄の飲食店としては珍しく野菜にフォーカスしたお店です。人気の沖縄料理店「うりずん」のすぐ近くです。
栄町の飲み屋としては実に小綺麗で、カフェのような内装です。厨房に面したカウンター席がいくつかにテーブル席がたくさん。トータルでは30席以上ありそうです。15時から通しで営業と使い勝手は良いのですが、人気店なのでピークタイムは予約しておくほうが無難でしょう。
青果推しの店であり、一番人気は無農薬のレモンを用いたレモンサワー。そのレモンをスパークリングワインに入れたり、栄町のコーヒー屋とコラボしたハイボール(?)があったりと、お酒のラインナップが面白い。ちなみに飲み放題プランもありました。
ベジプレートの5種盛り。と言っても10のラインナップの中から自分の好きなものを選ぶことができるのが嬉しい。いずれも野菜に主眼を置いたツマミであり、罪悪感に乏しい。
焼き無農薬野菜サラダ。野菜本来の味が濃く、甘みや香りが強いのが特長的。それらを焼くことで更に甘みが増し、香ばしさも加わります。ただ、「無能」と言われているようでいちいちギョっとしてしまいます。
スペシャリテのロールキャベツ。広大無辺で、ただただ呆然とするばかりのサイズ感です。赤ちゃんの腕よりもデカいんとちゃうかな。韓国人がキムチをそうするように、ハサミでカットしていきます。ソースもたっぷりで、まるでシチューを食べているかのよう。
断面萌え。断面萌え。そのへんのハンバーグよりも迫力のある内部であり、ロールキャベツというよりは他の料理を開発したかのよう。キャベツの甘みと柔らかさが格別で、ミンチ肉の荒々しさに負けていません。本日いちばんのお皿です。
ケールブロッコリーとマグロのフリット。こちらも迫力があり、コンセプトは良いのですが、ちょっと揚げ油が重たいかな。舌にまとわりつくような油の重みに思わず顔をしかめます。素材そのものよりも悪い油を食べているようで胸がずしりと沈んでいく。
気を取り直して「大葉ジェノベーゼ焼きそば」。麺には沖縄そばを起用しているのか、適度に太く不揃いで、独特の食感を楽しむことができます。ところどころオコゲがあるのが良いですね。大葉の爽やかな香りにカラスミが加わることで、全体に深みが増します。ロールキャベツに引き続き、五感を揺さぶる味わいです。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり4千円ほど。この価格で、この質と量の料理が楽しめるのは驚きです。「野菜の酒場」というコンセプトも素晴らしく、それでいてヘルシーな肉料理も結構用意しており鬼に金棒。次回は牧志の2号店「クサワケセカンド」に行ってみよう。飲み放題を付けて宴会利用するのも楽しそうだ。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。