桜坂泰料理 fuwaro (さくらざかタイりょうり フワロ)/牧志(那覇)

2024年にオープンしたばかりの「桜坂泰料理 fuwaro (さくらざかタイりょうり フワロ)」。牧志公設市場近くの平和通りから不安になるほど細い路地に入ったところの紫色が目印です。目と鼻の先に「ベト那覇ショップ(Tạp Hoá Việt-Naha)」「パーラーカオソーイ」があり、このあたりの食文化は多様性に満ちています。
店内は広々としており、コンクリートむき出しの壁にネオンが怪しく迫ります。どこか渋谷の「高丸電氣(たかまるでんき)」を思わせる雰囲気。ピロンピロンとフードデリバリーのオーダーがひっきりなしに入っているのが印象的。店名はタイ語で「笑う」という意味だそうで、なるほどスタッフのみんなたちの接客も実に感じ良い。
飲み物は高くなく、生ビールは600円に輸入モノのビールは700円といったところ。ソフトドリンクが300円なのは、ノンアルコールにも大らかな沖縄の美点といったところでしょう。
トード・マンクン。揚げたて熱々のエビ団子であり、カリッとした衣の中にはトロリとした口当たりのエビペーストが満ちています。ビールのツマミにピッタリだ。
ソムタム。青パパイヤのシャキシャキとした食感と、ピーナッツの香ばしさ、そして唐辛子のピリッとした辛さが絶妙なバランスを奏でます。「クロック」と呼ばれるタイの臼と杵で材料を丁寧に叩いており、タイ料理に注ぐ情熱を感じました。
パッ・ガパオ・マクアムー。素揚げしたナスはトロトロとした口当たりで、豚肉の旨味をたっぷり吸い込んでいます。生唐辛子のピリッとした辛さと、バジルの爽やかな香りが加わって食欲をそそります。
クンニムパッポンカリー。殻ごと食べられるソフトシェルのエビを、カレーソースとトロトロ卵で炒めています。カレーのスパイシーな香りと玉子のまろやかさがエビの旨味と絶妙に絡み合う。これはライスが欲しくなる。
タイの国民食とも言えるカオマンガイ。センターの鶏肉の美味しさは当然として、ふっくらと炊き上がったジャスミンライスに鶏肉の旨味がじんわりと染み込んでおり、食べる手が止まらない美味しさです。肉・米ともに量もたっぷりだ。
特製のタレからは生姜やニンニクの風味が感じられ後を引く美味しさ。アツアツのスープにも鶏のエキスがたっぷり溶け込んでおり、ランチであればこのひと品でお腹も心も充分に満たされそうです。
〆に「コームー・ヤーン」。じっくりと焼き上げられた豚トロは、外はカリッと香ばしく、中はジューシー。噛むほどに、脂の甘みと肉の旨味が口の中に広がります。先のライスにもビールにも相性抜群です。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり5千円弱。沖縄のエスニック料理店としては高めの価格設定ですが、料理とサービスの質を考えれば納得の費用対効果です。この他にも様々な料理が用意されているようなので、次回はもっと大勢で訪れ全種類制覇を目指したいところ。おなかを空かせて参りましょう。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。