アグーとんかつ コション 浮島通り店/牧志(那覇)

豚肉文化圏の沖縄ですが、とんかつ屋さんは意外に少ない。それでも先日お邪魔した「んかつ 小やじ」はかなりの美味しさだったので、勢いに乗ってご近所の「アグーとんかつ コション 浮島通り店」にもお邪魔しました。店名は恐らくフランス語の「cochon(豚)」であり、豚のクッションを思い浮かべると覚えやすいです。
第一印象は「臭い」です。よく言えばアンドゥイエット、悪く言えば雑なモツ煮込みのような匂いが強く、この店ちょっと大丈夫かなというお気持ちです。それでもテーブルなどは清潔なのが摩訶不思議。
注文を済ませると、手早くソース類が並べられます。ライスや豚汁、お漬物はお代わりOKですが、時節柄かキャベツのお代わりは認められていませんでした。
7-8分待って「金アグー豚ロース&ヒレかつ盛り合わせ」が並べられます。ランチのセットで2,750円と、このあたりの相場としてはかなりの支払金額です。
主題の「金アグー豚ロース&ヒレかつ盛り合わせ」ですが、このトンカツは残念ですねえ。衣は油を吸いすぎてベトベトで、まるで油の海に溺れたスポンジのようであり、肉はパサパサで、まるで砂漠を歩いているかのよう。ジューシーさは皆無であるものの、脂っこくて、ひと口食べるごとに胃が重くなっていきます。
豚汁はそれなりに具材が詰まっており、白味噌仕立てで悪くないのですが、お代わりすると不思議なことに、白濁したスープのみが届けられました。お代わりについては狙って液体部分のみを注ぐとは、かなりのオペレーションスキルです。
麦ごはんもバサバサとした口当たりで、喉を通るたびに引っかかって噎せそうになり、まるで罰ゲームのようです。全てが八方塞がりだ。
久々に大ハズレを引いてしまいました。トンカツとは安定した料理でありそうそう外すことはない所にまさかの愁嘆場。これが千円の定食であれば私もうるさいことは言いませんが、これが2,750円とは恐れ入る。

一方で、隣のオジィが注文していた「かつベロ」はドリンク3杯にカツが3種類も付いて1,200円と、恐るべき価格設定です。「金アグー~」のような高額料理は実質養分なので、かつベロ限定で訪れると良いでしょう。我が心は、秋の夕暮れのように、もの哀しみに沈んでいる。

食べログ グルメブログランキング


関連記事
寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。