スパイスバル ベベル (SPICE BAR beber)/安里(那覇)

「オリオンホテル那覇」の裏手に2019年にオープンした「スパイスバル ベベル (SPICE BAR beber)」。私の推しの居酒屋「鶴千(つるせん)」のすぐ近く。店名はスペイン語で「飲む」という意味です。
色々と剥き出しな内装で、成田の第三ターミナルのような雰囲気の店内。ハコは広く30席ぐらいはありそうです。カウンター席も10席近くあり、おひとりさまが結構多いのが特徴的。
キリンのタップ・マルシェを採用しており、複数のクラフトビールが用意されています。このサイズで900円と悪くない価格設定です。グラスワインは600円~と、こちらも良心的。 
お通し代は300円だったっけな。それでも原木から削り出される生ハムを用意してくれるので納得感があります。お通しが旨い店はだいたい良い店だ。
パクチーサラダ。単にパクチーを持っただけでなく、店名に冠した通りスパイスで風味付けしています。
タパスの盛り合わせ。純然たるスペイン料理というよりは創作的な料理が多いですが、いずれもきちんと美味しい。スパイスの使い方も上手く、センスの良い味覚です。
人気ナンバーワンの「スパイシースペアリブ」。様々なスパイスでマリネされているようで、いろんな味がする。沖縄で言うところの「本ソーキ」であり、その取り扱いはお手の物といったところでしょう。可食部もたっぷりだ。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は5千円強。いずれの料理もレベルが高く量もしっかりとしており、気持ちの良い食後感。他にも旨そうな料理が並んでいたので、今度はグループで訪れ、片っ端から注文したいと思います。

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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。

本場四川料理 龍門 目黒店(りゅうもん)

目黒駅の目の前にある「本場四川料理 龍門 目黒店(りゅうもん)」。本当に目の前すぎて逆に目立たないほど目の前のビル地下1階にあります。
全席がテーブル席であり、奥に個室もあるようです。典型的な中華料理店で、中国人がテキパキと手際良く作業を進める。中国人が経営する中華料理店ってどうしてあんなにスピーディーなのでしょうか。
注文は全てQRコードから。ランチタイムのメニューは殆どが1,100円なのですが、より高価で色々と付くセットもあります。私は店名を冠した「龍門セット」を注文。2,200円です。
卓上にザーサイと酢もやしが用意されており、自由に楽しむことができます。ライスもお代わりOKとのことで、結果的に永久機関かもしれません。
さっそく麻婆豆腐がやってきました。スパイスたっぷりでザラっとした舌ざわりを感じられるほど。当店の料理人は四川省出身の方だそうですが日本人向けにアレンジされており、虎ノ門「味覚(みかく)」のような非人道的な辛味からは大きく距離があります。
人気の「よだれ鶏(口水鶏)」。先の麻婆豆腐と同じ方向性の味覚であり、潤沢なスパイス使いが心に残ります。やはりそれほど辛いというわけではなく、甘味も活用し複雑ながらも奥深い味わいを生み出しています。ちなみにネット上の情報によると、この料理が最初に出されたのが当店とのことですが、ほんまかいなというお気持ちもあります。
ライスは普通のライスですね。お代わりOKとのことですが、オカズの量がすげえ多いので1杯で満たされました。
棒餃子は悪くはないのですが、紅虎のそれに比べるとボリューム感に乏しい。中国料理として何が正解なのかは存じ上げませんが、個人的には紅虎餃子房のほうがすちです。
杏仁豆腐はゼラチンゼラチンしておらず程よく滑らかな口当たり。町の安価な中華料理店としては思いのほか美味しかった。
以上のセットメニューが2,200円。他のメニューに比べると高価ではありますがボリューム感もたっぷりで、納得の食後感です。夜のメニューも飲み放題がついてこの価格設定なので、会社のチームの飲みなどにも使えそう。今度は大勢で飲みに来ようかな。

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ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化し◎〇△×と記した

年間を通じて外泊が多いので、ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化しました。

◎〇△×と記していますが、これは私が滞在した時点における感想であり、価格や為替の変動、混雑度合い、当時のスタッフの対応など偶然に因る部分も多いので、話半分に捉えてください。また、ハイアットやヒルトンは最上級会員であり、ひらまつは株主なので、素で予約する場合とは対応が異なるかもしれません。

費用対効果も重要視しています。お金に糸目をつけないお金持ちの方々とは観点が異なることをご承知おきください。

ところで、私は子連れ客とそれをコントロールできない宿泊施設を憎んでおり、そういった客層が支配的なホテルは自然と△や×が多くなります。しかしながら、これは見方を変えれば家族旅行に向いたホテルを選ぶ指標となり得るかもしれません。


【ハイアット】
<北海道>

<関東>
△:ハイアットリージェンシー東京ベイ

キャセイパシフィック・ラウンジ(Cathay Pacific Lounge)/成田国際空港

始めての成田キャセイラウンジ。キャセイは自国の素晴らしいラウンジはもちろん、パリ羽田、成田にまでラウンジを展開していてすごいなあ。
ラウンジ内は実に開放的で、日系エアラインのフードコート調の誂えとはダンチのセンスの良さです。ちなみに以前はアメリカン航空のラウンジが入居していたそうで、そのまま居抜きでキャセイのものに代わったそうです。
客層は外国人ビジネスパーソンが多めであり、静かで落ち着いた雰囲気。仮にJALのフライトだったとしても、今度から敢えてキャセイのラウンジを使わせて頂こうと決意した瞬間です。
食事はエアラインの一般的なラウンジのそれと大差ありません。キャセイのラウンジと言えばヌードルバーなのですが、成田のラウンジには用意が無いらしく、そこだけちょっと残念でした。見方を変えれば世界で唯一(?)ヌードルバーが無いキャセイのラウンジと言えるかもしれません。
時間帯によって食事のラインナップは異なるようですが、我々は午後に訪れサラダにスモークサーモン、チーズ、パンダエクスプレス的な鶏肉にチンゲンサイといったところ。午前中などはお粥などが提供されるようです。
飲み物はビールはもちろんワインに日本酒、各種ハードリーカーと百花繚乱。特筆すべきはパイパーで、ビジネスクラスラウンジでシャンパーニュを置くのは世界的にも珍しいほうではなかろうか。
ガリガリにPC操作したい方のためにシェアオフィスのようなブースもあります。
また、今回は利用しませんでしたが、割にしっかりしたシャワーブースもある模様(画像は公式ウェブサイトより)。香港ファーストクラスラウンジの風呂付20平米超といったバスルームほどではないにせよ、普通にリフレッシュするには充分でしょう。
ビジネスクラスラウンジとして素晴らしいクオリティでした。今後はJAL便の利用だったとしても、敢えてキャセイのラウンジにお邪魔させて頂きます。定番のヌードルバーを堪能することができないのは残念ですが、それはまた、彼の地に訪れてからのお楽しみということで。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

カラビンカ(kalavinka)/目黒

目黒駅から権之助坂を下り、鹿鳴館の少し手前の雑居ビル3階にある「カラビンカ(kalavinka)」。夜はエスニック料理を中心としたアジアン居酒屋ですが、ランチタイムはカオマンガイのセットを提供しています。
日当たりが良く明るい店内。DJブースや音楽機材などが目立ち、夜にはライブなども開催されているようです。ゲストの殆どは女性客であり、キャッキャウフフとした雰囲気です。入り口付近でセルフでお水を注いでから着席しましょう。
カオマンガイは900円なのですが、肉をダブルにしてサラダと味玉をつけたら1,850円もしました。人生で一番高いカオマンガイかもしれません。一時期バンコクによく出張していた身としては、かなり抵抗のある価格設定です。
サラダは200円。シャキシャキとした食感で悪くない味わいです。カオマンガイ本体に比べると費用対効果は幾分マシに感じました。
スープはアツアツで鶏の旨味が溶け込んでおり、ひと口飲むと体の芯から温まります。カオマンガイのタレとは対照的に、優しい味わいです。
主題のカオマンガイ。鶏肉がしっとり柔らかく仕上がっており素直に美味しい。チキンスープで炊いたライスはとてもきれいで丁寧な仕事が伝わってきます。タレは2種用意されており、生姜やニンニクの風味が食欲をそそり、鶏肉とご飯の味をさらに引き立てます。「ナンプラー味玉」は興味を引くネーミングですが、味は中くらいでした。
ダブル分の鶏肉。これだけで600円の追加は高いなあ。いっそのことカオマンガイと、カオマンガイトード(揚げ鶏)の」2セット食べれば良かったなと後悔。そう、当店の食事はポーションが小さく、女子でも大盛注文が続出するサイズ感です。
味はそこそこ美味しいですが、さすがに高杉に感じました。近くのトンカツの名店「とんかつ大宝(たいほう)」のランチよりも高いとは恐れ入る。小食の方のためのお店なのかもしれません。おつかれさまでした。

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いざかやこばん/武蔵小山

武蔵小山駅から歩いて5分ほどの場所にある「いざかやこばん」。商店街の喧騒からは少し離れた場所にあり、「立呑み 晩杯屋」から道を渡ってもう少し行った先にあります。
店内はカウンター席が10席ほどにテーブル席が3卓。やや清潔感に欠ける店なので、潔癖性の私にとっては色々と気になるところが多い。例えば衣服をかけるハンガーが無く、足元の雑なカゴにコートを丸めてぶち込む必要があり、悲しくて胸が張り裂けそうになりました。
酒は高くなく、とりわけコエドがお値打ち。東京の飲み屋でコエドが800円で楽しめる店は珍しいと言えるでしょう。日本酒も1合千円かそこらです。

お通しは冷や奴なのですが、すぐに出そうなおばんざい盛り合わせを最初に注文したのに全く出る気配がありません。先客は5人のみで、空いているにも関わらず、です。
ファーストドリンクから20分待ってようやく、と思いきや、何故か茄子の揚げびたしがやって来ました。え、なんでいきなり揚げ物から?もちろん味は悪くないのですが、出鼻をくじかれた感が強く、周章狼狽してしまいました。
続いて鶏天。え、また揚げ物?自慢のおばんざい盛り合わせは?もちろん鶏天そのものは美味しいのですが、こうもいきなり揚げ物続きでは舌がダルく感じ、かわいいメーターが下がってしまいます。
サワラ刺しの塩たたき。皮目は香ばしく、身はふっくらと仕上がっており素直に美味しい。たっぷりの薬味も後を引く美味しさです。なのですが、揚げ物が続いた後に繊細な味覚の刺身を口にするのはどうにも納得がいきません。
ようやく「おばんざい3種盛り」がやってきました。これまでの料理をファーストドリンクと共に注文したのにも関わらず、この料理が最後にやって来るとは順番が完全に逆。まるで「メメント」でも演じているかのようです。    
気を取り直して自慢の天ぷらに入ります。まずは「長芋の磯辺」。海苔を衣に組み込むのではなく、アイスクリームのカラースプレーのように後から塗布するスタイルです。
キス。身が厚く食べ応えがあるのですが、油が傷んでいるのか喉の通りが良くありません。もしかするとこの胸のつかえは、別に理由があるのかもしれない。それは心の影か、あるいは伝えられなかった言葉の棘か。ちなみに天つゆは110円でした。
ネギトロのせ海苔天。いったいどんな料理が来るのかと楽しみにしていたのですが、本当に海苔を揚げたものにネギトロがのってやって来ました。これはもう、とても別々に食べたいですね。とかくこの世はままならない。
他にも注文をお願いしていたのですが、いつまでたっても出てこないので確認すると、すっかり忘れられていました。私はとても悲しい。連れが「行こう、ここもじき腐海に沈む」と悟り、そのまま帰ることにしました。

以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり6千円とまあまあ高い。料理はいずれも悪くないのですが、いかんせん仕事が遅く、オペレーションに難がある。店内は衛生的とは言い難く、料理を出す順序性もストーリー性に乏しい。せっかちで綺麗好きでロマンチストな私の価値観には合いませんでした。気が長く大らかで流れに身を任せるタイプの方と一緒にどうぞ。

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天ぷらって本当に難しい調理ですよね。液体に具材を放り込んで水分を抜いていくという矛盾。料理の中で、最も技量が要求される料理だと思います。

てんぷら近藤の主人の技術を惜しみなく大公開。天ぷらは職人芸ではなくサイエンスだと唸ってしまうほど、理論的に記述された名著です。スペシャリテのさつまいもの天ぷらの揚げ方までしっかりと記述されています。季節ごとのタネも整理されており、家庭でも役立つでしょう。