焼き鳥とお酒 鳥拓(とりたく)/安里(那覇市)

2020年にオープンした「焼き鳥とお酒 鳥拓(とりたく)」。焼き鳥と掲げていますが一品料理の用意も多い飲み屋さん。人気の居酒屋「小梅(こうめ)」のすぐ近く(同じ建屋?)です。
店内はキッチンを取り囲むカウンター席が10ほどとテーブル席。7-8人は入れそうな半個室(?)もありました。スタッフはみな感じよく仲も良さそうで、居心地の良い雰囲気を作り上げています。
ビールは中瓶が800円、日本酒は1合1,400円のものが多く、周辺相場と比べるとやや高め。東京の一般的な飲み屋の価格設定と同じと考えましょう。
お通し代は500円を要し、ブリ入りのスープと鬼おろしが供されます。味は悪くないのですが量が少ない。この傾向は一品料理にも続き、全編を通して金額の割に量が少ないと感じる場面が多かった。
肉豆腐。牛タンを用いるという面白い試みで、よく煮込まれた牛タンがとろけるような柔らかさになり、豆腐との一体感が増しています。
タコの旨煮。旨味が凝縮されており、白ゴハンが欲しくなります。じっとりとした歯ごたえが後を引くおいしさで、添えられた大根も存在感のある味わい。
鶏たたき、なのですが、ちょっと思っていたのと違います。たたきとしてはかなりしっかりと焼かれており、レアな焼鳥といった印象です。もちろん美味しいのですがコレジャナイ感。量も少ない。
アジの春巻き。アジフライの春巻きバージョンとも言うべきひと品であり、ありそうで無い料理です。外皮はパリっとし、中身はホクホクとした食感。アジそのものの風味が強くストレートに美味しい。
焼鳥に入ります。何本かのセットになったものもあるのですが、私はアラカルト注文。こちらはハツで、プックリとした外観が可愛らしい。弾力があって、とてもジューシー。
こちらは本数限定のソリレス。胴体とモモの付け根の部分であり、珍重されている部位です。ほどよくマッチョな歯ごたえであり、噛みしめるほどの肉の旨味が滲み出てきます。
これはスジ肉だったっけな?焼鳥屋で食べる機会は少ない部位ですが、コリコリとした食感で、肉そのものの味も強い。粒マスタードをオンするのも洒落てます。
せせり。首の周りの肉であり、肉質がしっかりしていて、噛み応えがあります。噛みしめると肉汁がジュワッと溢れ出してきて、濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。
スペシャリテの塩つくね。単なるミンチ肉ではなく、軟骨や根菜(?)も組み込まれています。多彩な食感を楽しむことができ、また、肉そのものも非常に美味しい。タレや玉子でごまかさず、塩一本で調味するのもクールです。

以上を食べ、そこそこ飲んでお会計は1万円ほど。このあたりのざっかけない居酒屋の倍近い客単価ですが、なるほど料理のレベルは高く、質も価格も頭ひとつ抜けているように感じました。日本酒が豊富で焼鳥も出るちょっと高めの居酒屋として捉えたほうが良いかもしれません。ごちそうさまでした。

食べログ グルメブログランキング


関連記事
寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。