「The Empire Brunei(ジ エンパイヤ ブルネイ)」から車で10分ほどの場所にある「Nasi Katok Lily」。マレー料理を提供することで知られる地元のチェーン店であり、ブルネイに複数の店舗を構えています。エンパイヤのレストランは軒並みショボいので、長く滞在すると食事難民となってしまうのだ。
店内はオシャレな食堂といった風情であり、トータルで30席ほどでしょうか。ブルネイは基本的にどこでも英語が通じるのですが、当店は例外で、筆談と指差しで何とか注文できました。日本人が珍しいのか、言葉は通じないものの色々と話しかけてくれ、「おい、あの客、日本人だって!」と、店員がそのへんのゲストに紹介するくらいに珍しかったようです。フレッシュフルーツジュースはなく、代わりに「ライチモヒート」という記述があったのでワンチャン酒あるかと注文してみると、スプライトにライチとミントの葉を入れた甘ったるい飲み物でした。おとなしくお茶にすれば良かった。
主題の「ナシ・カトック(Nasi Katok)」。香り高いご飯に、フライドチキンと激辛のサンバルソースを添えた、ブルネイの国民食ともいえる料理です。オカズが少なく見えますが、白米が芳醇な香りをたたえており、ゴハンだけでバリ旨い。
スープも付きます。このスープは牛骨のスープでしょうか、見た目以上に複雑な味わいがあり、後を引く美味しさ。日本人好みする味覚でしょう。こちらは「ナシ・レマ(nasi lemak)」。マレーシアやシンガポールでもよく見かける料理であり、そのあたりではココナッツミルクでゴハンを炊くのが定番ですが、当店のそれはナシ・カトックと同じプレーンな炊き方に感じました。
「ソト(SOTO)」もブルネイで愛されている麺料理。鶏肉や牛肉をベースに、スパイスやハーブをたっぷり使って煮込んだスープが奥深い味わいです。麺は黄色い中華麺であり、やはり日本人ウケする味覚です。ソトの店、東京にあったらある程度は流行りそうな気がする。
以上を2人でシェアし、お会計は合計で16ブルネイドル(約1,800円)。日本でこれだけの量のランチを摂ることを考えると大層お値打ち。何より、変な表現ですが、普通に美味しく日本人の口に合います。日本の東南アジア料理界隈はタイとベトナムが支配的ですが、ブルネイ料理ももっと増えるといいのにな。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。