1922年に「民間初の社交場」として皇居前で開業し、大政翼賛会の本部が置かれたり、GHQの将校クラブとして営業したりと数奇な運命を辿った東京會舘。先日はフラッグシップの「プルニエ(RESTAURANT PRUNIER)」にお邪魔しましたが、この日はセカンドラインである「Drape(ドレープ)」にお邪魔しました。
窓が広く採光の良い店内(写真は公式ウェブサイトより)。この手のレストランとしては珍しくランチからディナーまで通し営業であり、一休などを経由すれば飲み放題プランもあるようです。私は店名を冠した「Drapeコース」を注文。メインディッシュが2品付き、税込みで9千円です。
すぐにアミューズが供されます。いずれも気楽な総菜であるものの丁寧なつくりであり、丁寧な生活をおくる私にピッタリです。昼シャンにピッタリだ。前菜盛り合わせ。キッシュ・スモークサーモン・パテカンと、やはり王道な味覚が続きます。とりわけパテ・ド・カンパーニュが良いですね。レバーも上手く取り入れており、ネットリとした口当たりを愉しみます。
東京會舘がベーカリーを擁しているだけあってパンの種類が豊富。中でもコーンブレッドが良いですね。トウモロコシの甘みと香りに加え、ホロホロと崩れるような食感も面白い。キャンディタイプのリッチなバターも上々のクオリティです。
こちらはクラムチャウダーでしょうか。濃厚でクリーミーなスープに貝の旨味が溶け込みます。磯の香りがふわっと広がり、まさに海の恵みです。お魚料理はスペシャリテの「カレイの洋酒蒸 ボンファムスタイル」。ふっくらとしたカレイを濃厚なオランデーズソースとたっぷりのバターで頂きます。マッシュルームも組み込まれており、その土っぽい風味が料理全体に深みを与えます。コッテリとした白ワインにピッタリだ。
お肉料理はオーストラリア産牛サーロインのシャリアピンステーキ。赤身と脂身のバランスが良く、玉ねぎに漬け込むこと柔らかく仕上がっています。ソースには程よく酸味がきいており、メインのお肉ながらサラっと楽しむことができました。
デザートはもちろん「和栗のマロンシャンテリー」。約70年以上前に東京會舘の初代製菓長が考案した看板スイーツであり、中にはそぼろ状の和栗がたっぷりと含まれています。ふわふわの生クリームと上品な甘味の和栗との組み合わせが見事でした。
「プルニエ(RESTAURANT PRUNIER)」にお邪魔した際はサービス料も15%で、えらい高くついたなあという感想でしたが、当店はこんなにたっぷり食べて9千円。セットメニューだともっとお値打ちに仕上がり、フランス料理の入門編として最適です。通し営業で使い勝手も良く、立地含めて何かと使えるお店です。今度は飲み放題で来てみようっと。
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- ガストロノミー ジョエル・ロブション (Joel Robuchon) ←やはり完璧。
- La couleur d'ete(ラ クルール デテ) ←選んだ孤独は良い孤独。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
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