年末年始は暖かい所で過ごしたい派なのですが、韓国の記事でも記した通り、最近は近場のチケット代が妙に高い。どこかに穴場は無いかとGoogleフライトと小一時間格闘を続けると、ありましたありました、産油国にしてアジア最富裕国のブルネイ・ダルサラーム。油が山ほど採れるのでサーチャージは不要という気前の良い国です。
ちなみにブルネイが如何に裕福な国か実感できるエピソードをいくつか紹介すると、医療費や教育費が無料であり、税金がほとんど無く、ガソリンは1リットル50円程度。現在のハサナル・ボルキア国王の資産は2-3兆円と言われており、自分の誕生日にマイケル・ジャクソンを招いて無料コンサートを開催するなど豪放磊落。ちなみに写真右はアミーラ王女で、山本舞香に似ていると私はひそかに思っています(引用元:https://www.instagram.com/muash.portfolio/)。
私はロイヤルブルネイ航空の上級会員でも何でもないので、チェックイン手続きに時間を要するだろうと見込み、出発時刻の3時間前に成田着。既にチェックインカウンターは開いており、並ぶことなくスイスイと手続き完了です。
また、ロイヤルブルネイ航空はどのアライアンスにも所属していない一匹狼エアラインなので、当然にラウンジへのアクセス権限はありません。それでも私はプライオリティパスを保有しているので、「I.A.S.S Superior Lounge 希和 -NOA -」を利用させて頂きました。なんだかホストクラブの店名のようです。
ラウンジは海外のラウンジに近い印象です。客層は大人が多く、日系の航空会社のラウンジがフードコートと化していること考えると、敢えて当ラウンジを利用するのもアリな気がします。
アルコールはひと通り揃っており、料理はサラダ・カレー・唐揚げ・温野菜といった程度。外人がサンドイッチを注文するとコロッケパンが出てきて困惑していました。味はコンビニのホットスナック程度ですが、機内食にも期待できないので、ここで補給するほか仕方ありません。
さて、その「ロイヤルブルネイ航空」という謎のエアラインですが、成田就航便の機体はボーイングの787で、オペレーションも欧米日系のそれと変わりません。曜日は限定されるものの成田からの定期便を就航しており、年末年始で日本人の利用客は3割程度といったところでしょうか。意外に欧米人が多く、君たちは日本に何の用があって、しかもなぜブルネイに行くんだと小一時間問い詰めたくなりました。
冒頭記した通り、ロイヤルブルネイ航空はサーチャージが不要なので、年末年始にも関わらずエコノミークラスが往復で10万円ほど。ビジネスクラスだと30万円を超えてくるのですが、昼間のフライトかつ片道6時間程度なので、座席などエコノミークラスで充分です。入国手続きは事前にネットから済ませておくので、到着から税関を抜けるまではあっという間。私はahamoなのでブルネイでもそのまま使えますが(サブの楽天モバイルはエリア対象外)、連れは空港でsimを購入。2GBで8ドル(約900円)とお値打ち。また、ブルネイは現金払いの機会が多いので、空港で両替しておくと良いでしょう。空港からホテルへはDartで向かいます。P2駐車場の奥に乗り場があり、ドライバーたちがヒマそうに溜まっているのですぐにわかるはず。アプリからマッチングを開始すると、「お!俺だ!」みたいに対面でマッチングするのが何だかおかしかったです。ちなみにDartとはブルネイ独自の配車アプリ。認証やカードの登録などの手続きを要するので、日本に居るうちに設定を済ませておくことをお勧めします。ブルネイは車社会であり、人間が徒歩で移動することを前提に街が設計されていない(歩道が少ない)ので、当該アプリの活用は必須と言えるでしょう。
なのですが、UberやLyft、Grabに比べると微妙に使いづらく、動作も安定しないので、マッチング後はWhatsAppで連絡を取ろうとするドライバーも多い。そのため、WhatsAppも併せてインストールしておくと安心です。
なお、ネット上の情報には「クレカ払いのtop up(チャージ)だと使い切れるかわからないので、支払はcashを指定したほうが良い」と主張される方もいますが、足りない分だけtop up(チャージ)できる仕組みがあり、必ず使い切ることができるのでご安心を。
ちなみに、裕福とは言えどこの国にも小悪党はいるもので、彼らの口車に騙されないように注意しましょう。「あれ?なんかおかしいな?」と思う瞬間、たいてい貴方の直感は正しいのだ(このあとアフマドは自らキャンセルしやがった)。
観光地から観光地は全てDartで移動します。10分乗って千円程度であり、日本のタクシーよりもダンチに安いです。ハワイ編でも強く主張しましたが、日本のタクシーの品質は世界的に見ても最低レベルであり、そのくせタクシー代が物価に比して異常に高く、台数が少なく、道は知らず、ITに疎く、運転は下手で、職業意識も低い。日本のタクシー界隈はゴミだ。
ブルネイはイギリスの関与が長い国なので、どこへ言っても普通に英語が通じます。また、イギリスや日本と同じく車は左側通行。道はキレイで運転マナーは素晴らしく、クラクションなど6日間の滞在で一度も聞きませんでした。国民全体の心に余裕を感じます。
車以外で乗った乗り物は「カンポン・アイール(Kampong Ayer)」に向かう際の渡し船。川に沿って散歩していると、ボートの中からオッチャンが「のらないか?」と勧誘してきます。相場は対岸までひとり1ブルネイドル(約110円)で、ボラれることはまずないでしょう。
「カンポン・アイール(Kampong Ayer)」とは世界最大の水上集落であり、学校や警察、商店、ガソリンスタンド、モスク、病院を含めた4,200以上の建物が存在しているそうです。スラムのように見えますが、電気や水道などのインフラの整備は進んでいて、ペットを飼っている家もあります。まさに攻殻機動隊の世界である。
喉が渇いたらジュースを飲みましょう。新鮮な果物を絞ったばかりのフレッシュフルーツジュースが1ブルネイドル(約110円)から楽しむことができます。マンゴーどっさりのスムージーなども500円程度で楽しむことができ、日本のスタバのフラペチーノ界隈は歓喜すること間違いなし。
ちなみにブルネイでは何でもかんでもビニール袋に入れてくれます。日本での紙のまずいストローを強要される暮らしが馬鹿らしく思えてくる。なあ進次郎。
ショッピングモールもいくつかあって、タイやマレーシアで見かけるそれと大差ありません。しかしながらブルネイはK- POPがあまり流行っておらず、このあたりはお隣のマレーシアと事情が大きく異なります。また、ショッピングモールと言えどもトイレは和式が多く、基本的に紙は置かれていないので、女子は準備を怠りないよう。
遊園地も夜遅くまで営業しているのが当たり前で、例えばこのモスク前での「夜のピクニック」の1枚はピューリッツァー賞モノでしょう。鍋とコンロまで持ち込んで本当に素晴らしい。君たちは必ず幸せな家庭を育む。
皆の心に余裕があり、常にニコニコと微笑みを讃えている素晴らしい国民性。物価は安く清潔で安全で旅行先として申し分なし。たまにペットとして猿を連れている人がいる。しかしながら、どこか退屈な面は否めません。今回は年末年始の6日間を滞在したのですが、「えっ、6日も!?長すぎだよ3日で充分だよ」とDartの運転手3人から笑われたのが強く記憶に残りました。
<ホテル>
ブルネイでは王室が贅の限りを尽くして建立した「The Empire Brunei(ジ エンパイヤ ブルネイ)」に滞在しました。と言っても滞在費は1泊3万円程度であり、東京のビジネスホテルと大差ない価格設定です(画像は公式ウェブサイトより)。
結論として、ハード面は素晴らしいがソフト面が追いついておらず、色々と勿体ないなあというお気持ちです。もちろんこれだけのリゾートホテルで1泊3万円という価格設定は、それはそれでお値打ち。3世代の家族で訪れワイワイ過ごす、みたいな使い方には良いかもしれません。詳細は別記事にて。
さて、ここからは私がお邪魔した飲食店をご紹介。ブルネイは敬虔なイスラム教の国なので、アルコールを提供する飲食店は存在しません。その代わりに甘い飲み物をやたらと飲み、中でもミロが大人気です。左党としては物足りない日々を過ごすのですが、一方で、酒に酔ったうるさい客などがいないのは良いですね。深酒することなくサクっと切り上げるので睡眠の質も良くなる。これはこれでアリなライフスタイルかもしれません。
ちなみに、ブルネイでは鶏肉を用いた料理が多く、写真はフライドチキン業界の頂上決戦です。
ちなみに、ブルネイでは鶏肉を用いた料理が多く、写真はフライドチキン業界の頂上決戦です。
■ガドン ナイト マーケット(Pasar Pelbagai Barangan Gadong)/ガドン
https://www.takemachelin.com/2024/12/gadong.html
ブルネイで最も重要な観光地といっても過言ではない「ガドン ナイト マーケット(Pasar Pelbagai Barangan Gadong)」。観光客はもちろん地元の人々も日常的に利用する屋台村(?)であり、バンダル・スリ・ブガワンのガドン地区に位置します。屋根付きなので荒天時でも安心。
■Pondok Seri Wangi Restaurant(Restoran Pondok Sari Wangi)/ガドン
ガドン地区にあるインドネシア料理店。街いちばんのショッピングモール「The Mall Gadong」から歩いて5分ほどの雑居ビル2階に位置します。
店内は広く50-60席ほどはあるでしょうか。身なりの良いゲストが多く、スタッフもきちんと制服を着こなしており、このあたりではちょっと良い目のレストランのようです。
お会計は総額で31ブルネイドル(約3,500円)。この質と量を楽しみ、丁寧な接客と衛生的な環境を楽しんで後の支払金額は実にお値打ち。我々が滞在しているホテルのダイニングよりもレベルが高い。オススメです。
■Thiam Hock Restaurant/ガドン
ブルネイの老舗の中国料理店であり、東南アジアでおなじみのフィッシュヘッドカレーが自慢です。主題のフィッシュヘッドカレーは魚や野菜のエキスがココナッツミルクに溶け込んでおり、スパイスと共に複雑な味わいを堪能します。
■Phongmun Restaurant 豐滿樓大酒家/ダウンタウン
ブルネイきっての老舗中国料理店であり、点心を中心とした香港料理が自慢です。店内はめちゃんこ広くゆうに100席を超えるでしょう。雑な中国風のインテリアである意味レトロ。窓からは東南アジア最大の水上集落「カンポン・アイール」を眺めることができます。■Babu's Kitchen(バブズキッチン)/ダウンタウン
ダウンタウンど真ん中、街いちばんのショッピングモール「Yayasan Sultan Haji Hassanal Bolkiah」から東へ徒歩数分の路地に位置します。
店内は社員食堂のように広く、100席以上はゆうにあるでしょう。清掃も行き届いておりピッカピカ。トイレの他に手洗い場もあり、日本の一般的な飲食店よりも衛生意識は高い。スタッフがみんな親切なのも良い。ブルネイ旅行初心者であっても気軽に楽しむことができる食事処でした。
■Tumpi Sabar Menati/ジュルドン
「Tumpi」が自慢のお店。これはブルネイの料理なのかなあ、薄い揚げパンのようなものをオカズ(?)と一緒に楽しみます。これが、旨い。サクっとした口当たりにモチモチとした噛み応え。ゲストのほぼ全員が注文するだけあって、流石の美味しさです。世の中知らない料理がまだまだあるなあ。
■Nasi Katok Lily/ジュルドン
「The Empire Brunei(ジ エンパイヤ ブルネイ)」から車で10分ほどの場所にある「Nasi Katok Lily」。マレー料理を提供することで知られる地元のチェーン店であり、ブルネイに複数の店舗を構えています。
■Seaworld Neptune Restaurant/ジュルドン
「The Empire Brunei(ジ エンパイヤ ブルネイ)」から車で10分ほどの場所にあるシーフードレストラン。グーグルマップでたまたま見つけたレストランなのですが、Dartのドライバーは「グッドチョイスだ、あそこは旨い」と太鼓判を押しており、そして実際に大変満足できました。
「The Empire Brunei(ジ エンパイヤ ブルネイ)」のアジアンダイニング「PANTAI(パンタイ)」。ちょっと覗いてみた限り、本館のビュッフェレストランのレベルがあまりに低かったため、慌ててアラカルト注文できるレストランにお邪魔しました。とは言え店内は空いており、予約ナシで訪れたにも関わらずお外の雰囲気の良い席をご案内頂けラッキーです。
■Royal Brunei's Sky Lounge/空港
プライオリティパスを利用して入室したビジネスクラスラウンジですが、このラウンジは超イマイチですねえ。成田行きの便が深夜発というのも関係するのかもしれませんが、料理や飲み物は少なく、何ならネットも繋がらないくらいです。今回は実質無料で利用できたから良かったものの、正規の有償利用だと55ブルネイドル(約6千円強)も請求されるので、流石にちょっとアレだなあというお気持ちです。お疲れ様でした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。