炭焼333(すみやきSASAMI)/金沢駅

金沢駅から歩いて7-8分の場所にある「炭焼333(すみやきSASAMI)」。金沢屈指の、いや石川県でトップクラスの人気を誇るラーメン屋「麺屋大河(めんやたいが)」の近くです。ベトナムのビールみたいな店名ですが「サ・サ・ミ」と発音し、鶏肉の炭焼きを中心とした居酒屋です。
店内はカウンター席が5-6席にテーブル席が2卓。ツーマンセルで回すには丁度良い
大きさです。店主は大阪の1ツ星焼鳥「ながほり」で腕を磨いたそうです。
生ビールは880円と中々の値段ですが、薄はりのグラスにタップリサイズで飲みごたえ充分。日本酒は全国の銘酒を取り揃え、グラスワインは日本ワインが多いなという印象です。
「ちょっと大人なサラダ」は炒めた黒豚と春菊のコンビネーション。黒豚のリッチな脂に春菊の苦味が良く合う。マスタード調のドレッシングを用いており、酸味もきいて、なるほど大人の味わいです。
牛すじ大根。名古屋~東京にかけてのコッテコテの煮込みではなく、関西の味付けを感じさせる上品な仕上がりです。北陸の方言は関西弁のニュアンスを感じさせますが、味覚についても同じことが言えるのかもしれません。
炭焼きに入ります。当店の鶏肉は比内地鶏を用いているそうで、つくねにパン粉を塗すという一工夫。エビフライの鶏肉版というか何と言うか、つくね界隈の新大陸といった味わいです。
比内地鶏のムネ肉。引き締まった肉質と、噛めば噛むほど溢れ出す深い旨味が、炭火焼きによってさらに凝縮されています。当店の焼鳥(?)は総じて串に刺さっていないのが面白い。
左が肝(レバー)、右が砂肝。レバーはそれほどクリーミーというわけではなく、ざっくりと健康的な肝を感じ気持ちいい。砂肝はコリコリとした独特の食感が魅力的。炭火で焼くことで、香ばしさが加わり、噛むほどに旨味が溢れ出てきます。
せせり。鶏の首の周りの部位であり、他の鶏と比べて運動量が多のか、肉質が引き締まっています。旨味のネックレスとも言うべきタフな味わいであり、コッテリとした白ワインが良く合います。
レンコン。厚く切ったレンコンを炭火でじっくりと焼き上げ、シャキシャキとホクホクの中間地点に軟着陸します。スラっと糸を引く感じもすごくいい。
鶏そぼろ丼。美味しいのですが、今あなたが想像している味覚と大差なく、K点を超えて来ない一般的な味わいです。せっかくの素材と技術なのだから、「焼き鳥 津田」クラスのものを食べたかった。
以上、飲んで食べて1万円といったところ。おっと思ったよりも高くつきました。西麻布「焼鶏ひらこ」にせよ、串に刺さっていない焼鳥は高くなりがちなのかもしれません。とは言え料理の質を考えればリーズナブル。新幹線駅からも近く17時から開いており調理も手早いので、北陸旅行のラストディナーに丁度良いでしょう。

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