「ふふ」などラグジュアリーなコンテンツを展開する「カトープレジャーグループ」。この日は皇居のお堀沿いにある「Plaiga TOKYO(プレーガ東京)」にお邪魔しました。入口が難しくって、1階のイタリアンの中にある内階段を昇って入店します。
店内は広々としているのですが席数は限られており、ゆとりのある空間設計です(写真は公式ウェブサイトより)。他のゲストと視線が交錯しないようテーブルが配されており密会にも最適。ガラス越しに皇居の緑とセールスフォースの青が見え目に優しい。
池田翔太シェフはフランスで長く経験を積み、外苑前「Ysm」や荻窪「Restaurant Valinor」にてシェフを務め、2022年8月より当店の厨房を預かっているようです。「RED U-35」で「BRONZE EGG」も受賞した注目株。
ワイン値付けは外資系のホテルと同等で、立地やお店の格を考えると仕方ないかなというお気持ちです。遠くの席でソムリエが提供するワインについて熱く語っているのが聞こえて来、ワイン大好きマンであることは間違いなさそうです。
さっそくスペシャリテのお米のムース。ミルクで米を炊くリオレからひらめいたそうですが、底には毛ガニが山ほど詰まって贅沢なひと品。茶色のパウダーはホタテをどないかしたもので、想像以上にホタテ味であり、記憶に残る味わいです。シャンパーニュにぴったりだ。
先のお米のムースの母体となる玄米を用いたパン。ゲストの到着時刻を見計らって焼き上げるものであり、穀物の風味が実に豊か。作り立てのバターと合わせ、シンプルながら絶品と評するに相応しいひと品です。
パテ・アン・クルート。モダンなお店かと思いきや、ド直球なフランス料理も投げ込んできます。肉は青森のシャモロックや沖縄のアグー豚を用いており、肉そのものが美味しい。旨味の詰まったジュレも酒を呼ぶ美味しさで、フランス料理としてひとつの完成形と言えるでしょう。サワラ。皮目はパリッと香ばしく焼き上げた上で、内部はレア目に仕上げています。しっとりとした舌触りで、口の中でとろけるような食感を楽しむことができます。ソースにはロックフォールの風味をきかせており、淡泊になりがちなサワラの味わいにアクセントを添えていきます。
お肉料理はシカ。丁寧に丁寧に火が入れられ、パーフェクトな断面でやって来ました。見て美味しそうな料理は食べても美味しいことが殆どであり、夾雑物を感じさせない味覚です。胡椒をきかせたソースも実に豊か。メインディッシュに相応しい逸品です。
デザート1品目は酒粕を用いたひと品。米の残り香が感じられる甘味であり、冒頭のお米のムース含めて日本人好みする味覚です。
デザート2品目はクリを模したスイーツ。中にはクリとヘーゼルナッツの味覚がギッチリと詰まっており濃厚な味わい。コーヒーを用いたパウダー状のソースからは上品な苦味が漂って来、大人好みするひと皿です。
お茶菓子も凝っていて、これまでの料理のレベルに引けを取らない完成度。ハーブティーと合わせて優雅なひととき、ごちそうさまでした。
以上のコース料理が税サ込みで2万円弱で2人でワインを1本飲んでお会計はひとりあたり2.6万円。立地や内装、サービスから料理の進行まで全てが完璧で、ロブションにせよ、やっぱりきちんとしたレストランはいいなと再認識させてくれるお店です。近い将来、必ずミシュランの星を獲得する。かけてもいい。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- オトワ レストラン(Otowa restaurant) ←本気でフランスの料理文化に取り組んでいる。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション (Joel Robuchon) ←やはり完璧。
- La couleur d'ete(ラ クルール デテ) ←選んだ孤独は良い孤独。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- elan(エラン) ←表参道のナポレオン。
- 銀座 大石 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- エルヴェ(eleve) ←アラカルトでもコースでも自由自在。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ) ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- アサヒナガストロノーム ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- エステール(ESTERRE) ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。