店内はテーブルが7-8卓ほど並べられ、トータルでは30席ほどでしょうか(写真は公式ウェブサイトより)。都心にあるもののガチャガチャした忙しさは無く落ち着いた雰囲気です。ホールのおっちゃんのテンションが妙に低いのが気になりました。宝くじ外れたのかな。
飲み物は高くなく、コエドが千円を切りボトルワインも5千円台から始まります。ガンガンと飲むような客層ではなく、みな2-3杯ほどに留めている印象です。
料理は黒板メニューからアラカルトで注文。まずはカルパッチョ。魚は鹿児島産のロウニンアジと何だっけな、いずれにせよ弾力のある白身魚であり、また、彩り豊かで様々な食感の野菜がたっぷり使われているのも魅力です。二杯酢のゼリーの爽やかな酸味と甘みが魚介と野菜の美味しさをさらに引き立てます。
馬肉のタルタルステーキ。馬肉特有の仄かな甘みと上品な香りが特長的。滑らかな舌触りとネットリとした食感も心地よく、差し込まれたポテトチップスのサクサクとした歯触りも程よいアクセント。パイ包み焼きの中には砂肝とマッシュルームがたっぷり。サクサクのパイ生地と、グニグニとした歯ごたえが感じられる砂肝のコントラストが面白く、キノコ独特の芳醇な香りが奥深い味わいを生み出します。
パスタはリングイネ。濃厚な甘みのオマール海老のエキスがトマトソースに溶け込み、クリームのコクと絶妙なバランスを奏でます。ちょっとサイズが小さいかな。美味しいだけに、もっと量を食べたかった。
お肉料理の前に氷菓が出ます。ライチの甘くみずみずしい香りと、ラズベリーの甘酸っぱさが舌に心地よい。メインは鳩のロースト。カジュアルなレストランで鳩が用意されているのは珍しく、独特の風味と柔らかく繊細な肉質が堪らなく旨い。シンプルながらも奥深い味わいで、噛むほどに深い味わいが広がります。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.3万円といったところ。安いコースだと5千円ほどからの用意があり、ランチであれば更にお値段控えめ。ネオンサインに毒されない住宅街ならではの費用対効果であり、普段使いの最高峰とも言うべきお店です。家族やお友達と気軽にどうぞ。
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イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。