すし初/湯島

半年ぶりの「すし初」。食べログの点数は一向に冴えませんが、半年先まで予約がパンパンの隠れ人気店。ご無沙汰していた間にカウンターを改装し、グっとシックな雰囲気に変貌を遂げていました。
この日のラインナップはこの通り。増減の調整は可能ですが、標準で1人あたり4合と、左党には堪らない飲酒量です。
まずはキノコ。じっくりと炙ったのちにカマンベールをトッピングするという、鮨屋としては前代未聞の試みです。カカオパウダーの苦味が全体にコクを与えます。
エビとタコ。すりおろした梨とお出汁が絶妙にマッチ。コリコリねちねちとした食感も心地よい。
賀茂茄子の田楽。お茄子なジューシーな口当たりにコッテリとした味噌が上手く馴染む。たまり醤油に漬けたマスタードが穏やかな酸味を与え、良いムードを与えます。
戻りガツオ。お造りとしては前例のない厚さであり、ムッシャムッシャと肉のような食感。調味は塩とゴマ油であり、まるでレバ刺しのよう。焼肉屋で流行らせたいくらいです。
白和えには当店お馴染みのブッラータを起用。こんな代物を白和えと呼んでいいものかどうか法令違反の疑いがかけられますが、そもそも白和えの定義とは何なんだろう。カキの甘味にカニの旨味、揚げた紅茶の大人の風味など、世界一洒落た白和えです。
鮎は骨がホロホロになるまで炊かれており、カルシウムマスターです。スープに旨味が詰まっており、〆にお酒を注いで出汁割するなどフリーダムな逸品です。
焼物はマス。そのへんのシャケ弁の数倍量はあるサイズ感で、やはりステーキのように楽しみます。量も味のうちである。女性陣は未だ鮨を1ミリも食べていないのに満腹傾向にあり、それでもみんな笑顔です。
〆のお食事、もとい、本題の鮨です。久米島の海老が桁外れに旨い。やはりムッシャムッシャとした噛み応えが人生に心地よい。奈良漬けをたっぷり詰め込んだ手巻きも酒が進むひと品です。

今夜も楽しかった。店主の話芸にも磨きがかかり、初めてお連れしたゲストも楽しんでくれたようで、幹事冥利に尽きるディナーでした。次は半年後の春先かあと思いきや、他のグループからのお誘いもあって、来月にもまた行けちゃうぜ。


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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
すしのにぎりについての技術を網羅した決定版的な書籍。恐らくはプロ向けの参考本であり資料性の高い便覧でしょうが、素人が読んでこそ面白い傑作。写真がとても美しく、眺めているだけでお腹が空いてきます。