ALMA(アルマ)/恵比寿

恵比寿駅から歩いて10分ほど、明治通り沿いにある「ALMA(アルマ)」。仙台市発祥の、東北から毎日届く新鮮な魚介類を中心としたイタリアンレストランだそうで、店名は「恵み」を意味するそうです。
店内はカウンター席とテーブル席。天井が高く開放感があります。ちなみに私は広尾の「アルカディア(arcadia)」というイタリア料理店が推しであり、そちらのシェフが当店で経験を積んだと伺ったのが、お邪魔したきっかけです。
ワインはグラスのフランチャコルタが1,300円で、その他のグラスワインも千円かそこらであり、この手のレストランとしては良心的な価格設定でしょう。
他方、お通しとしてひとりあたり770円を徴収するシステムであり、このパンのみでその支払金額というのは抵抗があります。そんな課金の仕方をしないで、料理や酒にまぶしたほうが心証は良いだろうに。
「東北の恵みサラダ」につき、野菜そのものの品質は上々なのですが、はて、どのあたりが東北の恵みなのだろうか。カニっぽいブツは入っていましたが、今ってこのカニの旬だったっけな。
秋田出身のマイタケ。フリットとして楽しむのですが、油が随分と傷んでおり、胸がウィってなりました。せっかくのマイタケさんが気の毒である。
アナゴのカツレツ。身がどっしりと厚いアナゴが食べ応え抜群で、鮨屋で食べるそれと同じ食材とは思えない方向性です。底に敷かれたややこしいソースも濃厚で、奥行きのある美味しさです。
「海のボロネーゼ」と称した料理。ひき肉の代わりにタコを用いており、また、唐辛子のピリカラ感も練り込まれています。パスタの茹で加減も完璧で、辛味と旨味がまとわりつき、中毒性のある味わいです。
メインは豚肉。魚介推しのレストランのはずなのに、18時台の訪問で魚介系のメイン料理が全て売り切れとはどういった種類の失礼でしょうか。そういえばメインだけでなく前菜やパスタの品切れが多く、需要予測や在庫管理がダメすぎます。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.2万円といったところ。出された料理それぞれや接客については満足しているのですが、謎のお通し徴収と欠品の連続は心証が悪すぎます。毎度その説明をさせられる現場のみんなたちが気の毒なので、少なくとも魚介類推しという看板は取り下げたほうが良いでしょう。「Il Lato(イル ラート)」的な料理を楽しむことができるのかと、こっちはそのつもりで来ているのだから。

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