KAMOSUYA(かもすや)/武蔵小山

荏原中延「かもすや酒店」が2023年秋に武蔵小山へ移転リニュアルオープン。「KAMOSUYA(かもすや)」と称する新たな業態で、日本酒を主軸とした創作和食のお店です。場所は駅から歩いて5分ほどで、人気のベーカリー「nemo」のすぐ近くです。
店内は横並びのカウンター席にクルっとオマケがついた形状(説明が難しい)で、立ち飲みスペースもあります。席数は十数席ながら、シェフはテキパキとゲストを待たせることなく仕事をこなします。
お酒は高くなく、日本酒はグラスのみでの提供ですがたっぷり注いでくれるので飲みごたえがあります。また、この手のお店としては珍しく糖質オフのビールも用意されていました。
お通しにおひたし。お出汁がきいて優しい味わい。
胡麻さば。程よく脂がのったサバにゴマの風味がよく合う。初手からら白ゴハンが欲しくなる味覚です。
生たこの湯引きポン酢。湯引きすることで、生タコ特有のプリプリとした食感が際立ち、噛むごとにタコの旨味が口の中に広がります。
湯葉山椒揚げ。揚げることで湯葉がカリッと香ばしく仕上がり、新たなスナックを発掘しました。山椒のピリッとした辛さと爽やかな香りが、湯葉の淡白な味わいにアクセントを加えます。
大山鶏の地焼き。肉質がしっかりとしており、また、地焼きにすることで旨味が凝縮されます。柚子胡椒のピリッとした辛さと爽やかな柚子の香りが鶏肉の旨味を引き立てる。
海鮮焼売。海の幸の旨味がぎゅっと詰まった、風味豊かで贅沢な味わい。いわゆる551系の肉の焼売とは全く別の料理で面白い。
鰻の地焼き。住宅街の居酒屋でこんなに立派な鰻に出遭えるとは胸熱。炭火でじっくりと焼き上げられた鰻は、表面が香ばしくこんがりと輝き、食欲をそそります。皮はパリッと、身はふっくら。鰻独特の脂の甘みと、香ばしいタレの味が絶妙に絡み合い、至福の瞬間をもたらします。
豚と生姜の春巻き。ギュっと硬くまとまった新食感の春巻き。バランスの良い味わいで、パクパクモグモグいくらでも食べ続けられる気配がある。
和牛炙りユッケ。表面を軽く炙ることで、余分な脂が落ち、香ばしさが加わり、食欲をそそります。卵黄のリッチな味わいと甘辛いタレが調和し、和牛の旨みを引き立てます。
本日の土鍋ごはんは鯛とキノコ。土鍋の蓋を開けてビックリ、特大サイズの鯛が鎮座しています。鯛の上品な旨みと香りがご飯全体に広がり、ひと口食べるごとに幸せな気分になる。量もたっぷりだ。
途中でお出汁も出して頂き、終盤は出汁茶漬けへと移行。日本人の琴線に触れるストーリーで大満足。ごちそうさまでした。
しっかり飲み食いしてひとりあたり1万円ほど。武蔵小山の飲み屋としては高めの部類に入りますが、いずれの料理も堂に入った味わいであり、飲み屋というよりもきちんとした料理店という印象を受けました。「並木橋なかむら」に方向性は似てるかな。近所にあったら通い詰めたいくらいです。

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Carl Og3 Burger Shop(カールおじさんバーガーショップ)/アラモアナ(ホノルル)

2024年9月に移転したばかりの「Carl Og3 Burger Shop(カールおじさんバーガーショップ)」。アラモアナショッピングセンターから北へ歩いて15分ほどに位置し、「Japanese B.B.Q. Yoshi」という日式焼肉店の昼の部に営業しています。
店内は完全に日本の焼肉屋であり、ここでハンバーガーを食べるのは何だか不思議な気分。ハンバーガーを焼くための鉄板はどうしているのだろう。キッチンから客席への動線も悪く、スタッフもちょっと働き辛そうでした。
メニュー構成はシンプルで、ハンバーガーが4-5種類にフレンチフライに飲み物といったラインナップ。セットにするとお得になるという仕組みは無く、私のように暗算の苦手なタイプに優しい設計です。「WAGYU」という文字が踊りますが、ここはアメリカなので敢えて選択肢から除外して注文に臨みます。
注文から30分も待ってようやく到着。店内は特に混んでいるというわけでもないのにこのスピード感。やはり焼肉屋を間借りして無理くり営業しているため、オペレーションについて色々と難しい面もあるのでしょう。余裕を持って訪れるか、オンライン注文をしておいてピックアップするようにしましょう。
こちらは「Kaheka Smash(カヘカ・スマッシュ)」。アメリカ本土で市民権を得つつある「スマッシュバーガー」の波がハワイにも到達しました。「スマッシュバーガー」とは、成形されたパティではなく、粗挽きの牛肉を鉄板に押し付けて焼き上げるスタイルのハンバーガーのこと。スマッシュ(smash)とは英語で「押し付ける」や「平手打ち」という意味です。同じハワイだと「The Daley(ザ・デイリー)」のそれが有名です。
ワオ!美味しい!グラスフェッドの牛肉にスパイシーなポルトガルソーセージを混ぜ込み、スマッシュしてカリカリに焼き上げています。自己の脂で揚がったようなベーコンのような凝縮感で、肉そのものが美味しい。バンズはバターで焼いているのかリッチな風味でやや甘めなスタイルです。
こちらは「OG3 Cheeseburger Deluxe」。ジューシーなビーフパティにとろけるアメリカンチーズ、新鮮なトマトの酸味とシャキシャキレタスの食感、オニオンの風味とピクルスのアクセント。ひと口ごとに贅沢な味わいが拡散し、まさに「デラックス」の名にふさわしい、満足感の高いチーズバーガーです。
フライドポテトは波型カットでサクサクとした食感。とは言えば一般的なポテトやんと言われればその通りなので、パティ1枚追加と同料金であることを考えると、胃袋のスペースはパティに優先させたほうが良いでしょう。

美味しかった。「The Daley(ザ・デイリー)」のスマッシュバーガーも良かったですが、肉の味の強さとバンズの味わいとのバランスを考えると、当店のほうが私は好き。アラモアナセンターからも歩いて行けないことも無いので、日本人観光客にとってもアクセスは良好。オススメです。

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東京最高のレストラン2024
価格:2,420円(税込、送料無料) (2024/1/6時点)

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

teppan仁六(てっぱん にろく)/目黒

目黒は権之助坂を下り、橋の手前の雑居ビル7階にある「teppan仁六(てっぱん にろく)」。1階にはプレミアムスーラータンメンが美味しい「中国ラーメン 揚州商人 目黒本店(ようしゅうしょうにん)」が入居。創業は2007年と思いのほか歴史があります。お店のウィキペディアがあるのが面白い。
靴は下足箱に入れてから上がるスタイルなので、裸足でSummerな女の子はちょっとアレかもしれません。店内は不思議な空間で、何故か天井からチューリップがぶら下がっています。BGMも「お好み焼きおいしい~」的なテーマソング(?)が流れており、異世界に迷い込んだかのようです。
広島のクラフトビール「宮島ビール」が置かれていました。これが1本850円で楽しむことができるのは大変お値打ち。ちなみに当店は広島料理・鉄板焼料理の専門店であり、当該ビールのほか「がんす」「広島菜漬」など広島の名物料理が並びます。
お通しは豆腐とヒジキと豆をどないかしたもの。これは、うーん、別に美味しくないですね。カクテルグラスに盛りつける意図もよくわからない。
まずは野菜をと「空芯菜と豆苗の牛肉ピリ辛ゴマだれ」を注文するのですが、これが野菜炒め定食級の食べ応えで私嬉しい。野菜のタフな食感と濃厚なゴマだれで心が弾みます。
広島細もやしとホルモン焼。どういうわけか広島のモヤシは細く、当店もそれを踏襲しています。シャキシャキとしたモヤシとコッテリしたホルモンが良く合う。ビールの進む逸品です。
〆はもちろん「広島お好み焼き」。「そば」か「うどん」かを選ぶことができるのですが、私は王道の「そば」を注文し、見た目通りの王道の美味しさです。器が金属でヒートシンク的な役割を果たすので、熱交換が気になる方はカウンターの鉄板席を指定すると良いでしょう。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり5千円ほど。かなり不思議な空間ではありますが、「カープ 東京支店」ほど暑苦しくはなくスタッフも感じが良い。飲み放題付きの宴会プランも5千円~なので、ちょっとした飲み会にちょうど良さそう。胃袋の都合で「宮島ホルモンうどん 」を楽しむことができなかったことが唯一の心残りだ。

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ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化し◎〇△×と記した

年間を通じて外泊が多いので、ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化しました。

◎〇△×と記していますが、これは私が滞在した時点における感想であり、価格や為替の変動、混雑度合い、当時のスタッフの対応など偶然に因る部分も多いので、話半分に捉えてください。また、ハイアットやヒルトンは最上級会員であり、ひらまつは株主なので、素で予約する場合とは対応が異なるかもしれません。

費用対効果も重要視しています。お金に糸目をつけないお金持ちの方々とは観点が異なることをご承知おきください。

ところで、私は子連れ客とそれをコントロールできない宿泊施設を憎んでおり、そういった客層が支配的なホテルは自然と△や×が多くなります。しかしながら、これは見方を変えれば家族旅行に向いたホテルを選ぶ指標となり得るかもしれません。


【ハイアット】
<北海道>

<関東>
△:ハイアットリージェンシー東京ベイ

イル ポネンティーノ(IL PONENTINO)/東銀座

銀座の老舗イタリアン「イル ポネンティーノ(IL PONENTINO)」。GINZA SIXの裏手にあり、ハコは大きく営業時間は長く、使い勝手の良いお店です。
地下にありながらドーンと開放的な空間で、席間にもゆとりがあり、余裕が感じられます。席数は60近くあるんじゃないかなあ。直前であっても予約が取り易く便利です。
お酒も安くビールは千円を切り、その日のグラスワインも千円でした。週末のランチコースをお願いしたのですが、追加料金で皿数を増やしたり高価な食材の料理を選択できたりと選択肢が非常に多い。たぶん1億通りくらいの組み合わせがあります。
まずは前菜の盛り合わせ。鶏にサバにナス。いずれもスナック感覚で楽しむことができ、親しみやすい味わいです。個人的にはナスがお気に入りで、追加でお願いしたいくらいです。
パンはこれといった特長が無く、印象に残りませんでした。途中でゼッポリーネ(ピザ生地に海藻を混ぜて揚げたもの)を追加してくれ、それはモチモチと美味しかったので、あればっかもっと食べたい。
グリーンサラダもお出し頂けました。シンプルなひと皿ながら野菜は上質で、チーズの塩気も丁度良いです。
トマトベースのリゾット。サルシッチャも組み込まれており、肉のジューシーさとトマトソースの酸味のバランスがとても良い。程よく硬いお米の歯ごたえが食欲をそそります。
ウニのソースのパスタ。濃厚なウニのソースがアルデンテに茹で上げられたパスタに良く絡み、ウニの甘みと磯の香りが口いっぱいに広がります。う、うまい~~~~~。ハワイの「アランチーノ(Arancino)」のアレなんかよりも全然美味しい。
メインは鴨むね肉。ソースはパイナップルソースで、イタリア料理としては珍しい試み鴨しれません。肉そのものは中くらいの味わいですが、量はそこそこあったので食後感は中々のものです。
デザートはチョコアイスにバナナケーキ。これは、まあ、見ての通りの味わいですが、値段を考えればこんなもんでしょう。他方、コーヒーのレベルは中々のものです。シドニーから帰ってきたばかりの私が言うのだから間違いありません。皆さん食後は紅茶でなくエスプレッソ系のコーヒーを注文しましょう。必ずです。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は6-7千円といったところ。週末の銀座でお腹いっぱい楽しんで、しかもウニのパスタまで食べてこの支払金額は良心的。冒頭記した通り何かと使い勝手が良く、安定感のあるお店です。アラカルト注文もできるのかな。であれば次回は夜に来てみたいな。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。