目黒駅から歩いて15分ほどの場所にある「イタリアンバル SABA(さば)」。権之助坂を下って目黒寄生虫館のもう少し先、私の大嫌いなレストラン「Kabi(カビ)」のすぐ近くです。店名はイタリアの詩人ウンベルト・サバに由来するそうです。
店内はカウンター席が4-5席にテーブル席がいくつか。しかしながらシェフがワンオペで切り盛りするお店なので、敢えて全席を埋めていなさそうに感じました。勝瀬耕治シェフは元はお花屋さんで働いており、料理の道に入ったのは30歳と、面白い経歴です。
アルコールにつき、モレッティは900円でグラスワインは1,100-1,400円。このあたりの相場通りといったところでしょうか。もちろんボトルの用意もあります。
前菜の盛り合わせ。パプリカのピクルスに自家製のツナ、カツオのボッリート(煮込み料理)、ブッラータに焼ナス、生ハムとブレザオラ(牛の生ハム)、サラダ。いずれも文句なしに美味しいのですが、このひと皿が1人前で2,800円はちょっと高いなあ。気前の良い店であれば、これだけでランチコースが食べられる価格設定です。
パスタはイカスミを練り込んだタリオリーニ。たっぷりのマスとアオリイカにボッタルガ(カラスミ)をファサーっとして、海の旨味が詰まったひと品です。一方で、ツルムラサキのヌルっと感は好みが分かれる所かもしれません。
続いてマルタリアーティ。ひし形や四角形など不揃いな形が特徴的で、肉肉しさ抜群のボロネーゼで食べるにちょうど良いパスタです。チーズと塩気と旨味も心地よいアクセント。肉料理にスペアリブとポルチーニの煮込みを注文。濃厚で深い味わいが印象的で、ポルチーニは独特の芳醇な香りが料理全体を高級感のある味わいに仕上げます。ただ、量がとても少なく、このままでは痩せてしまうかもしれません。
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以上を食べ、軽く飲んでお会計は1万円ほど。まだまだ腹4分目程度であり、欲望の赴くままに飲み食いすれば2.5万円近くを要するかもしれません。しかしながら料理の種類は少なくパスタも1グループ2種類までという制限もあるため、味は間違いなく良いのですが、何とも使い勝手が悪く感じました。2軒目にワインを飲みながら軽くつまむ、みたいな使い方が良かったのかなあ。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。