店内は奥に細長く、L字型のカウンター席にテーブルが2卓。うーん、これはちょっと安普請な内装で、お洒落な大学生がDIYで作り上げた空間のようです。トイレも共用で清潔感が無く、ハンドソープは空っぽなので、潔癖症の私は色々と無理でした。
生ビールは660円で良心的と思いきや、ほんの数口サイズで結局割高。「SAKE DIPLOMAが厳選する日本酒」と鼻息が荒いのですが、どの日本酒も1合で1,500円近くするので、始まる前から私サガってしまいました。
お通しは悪くないのですが、器がIKEAのそれみたいでロマンに欠けます。バイ貝の旨煮。かなり強めに調味されており、お酒が進む逸品です。
水茄子とタコのカルパッチョ。食材の質は悪くないのですが、プレゼンテーションがちょっとアレですねえ。盛りつけのセンス大丈夫そ?
ルッコラとイチヂクのサラダも味は悪くないのですが、どうにもやっつけ仕事な見た目であり、美意識の欠落が伺えます。
イワシの塩焼き。これはまあ、イワシの塩焼きですね。イワシの塩焼きの味がしました。
油淋鶏ならぬ油淋鯖。サバを揚げたものにタレをぶっかけたもので分かり易い味わいです。食べ易くもあり、本日一番のお皿です。
エイヒレ。これはまあ、エイヒレですね。エイヒレの味がしました。
メヒカリの唐揚げ。丸ごとガバっと揚げたもので脂の旨味たっぷり。味付けも強く酒の進む逸品です。
清潔感の無い店員さんに「本日のなめろう」を激推しされたので注文したのですが、相変わらずのダサいプレゼンテーションです。うすうす気づいてはいましたが、今夜、私は確信しました。盛りつけも味覚のうちだと。
カツオとニンニク醤油は分かり易い調味で悪くありません。とは言えスーパーで買って自宅で同等かそれ以上のモノも作ることができるという意見もありました。生桜海老のチャーハン。なのですが、桜海老の風味は皆無に等しく、ごくごく普通のチャーハンです。これで1,300円はバリ高いなあ。
ナポリタンも一般的なものであり、海鮮推しの居酒屋としての工夫は何も見られませんでした。以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1万円強。これはちょっと二度目は無いですね。アルコールが妙に高く清潔感や美意識が欠落しているのも無理。「目黒 日本酒バル いと。」が良かっただけに、ガッカリした夜でした。目黒には他にも「いと。」系列のお店があるようですが、今後数年間はお邪魔するのを控えようと思います。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。