ハワイ好きなら誰もが知るステーキハウス「 Hy’s Steak House(ハイズ ステーキ ハウス)」。1976年創業とハワイで最も歴史のあるステーキハウスであり、現在は日本の自動車関連の企業集団「GLIONグループ」の経営。2024年は冬から春にかけて改装のため休業しており、6月8日にリニューアルオープンしました。ハイアットリージェンシーから歩いて数分です。
入り口から重厚感があり、内装はクラシックなステーキハウスそのもの(写真は公式ウェブサイトより)。ハワイにありながら海や空を一切売りとしていないのが面白く、アラモアナの「ヴィンテージ・ケーブ・クラブ(Vintage Cave Club)」を思い出しました。しかしながら、公式ウェブサイトには明確にドレスコードを謳ってはいるのですが、半ズボンのオッサンなども普通にいました。
卒業アルバムのように分厚いワインリストを確認すると、同じものを日本で楽しむより全く割高。ハワイの物価高やドル高などを超越した価格設定であり、恐らくこのお店の方針なのでしょう。そのためグラスワインに流れると、これは5杯取りではないかと思うほどの注ぎ込みであり、なんだよ超いい店じゃん。
お通し(?)として名物のチーズブレッド。美味しいのですが、グジェールと呼ぶには重すぎ、最初に食べるものとしてはどうだろう。ホカホカで登場するので、後で食べるのにキープしておくのも勿体ない。
我々のテーブルにはスキンヘッドでヒゲの貫禄のあるオッチャンがサービスとしてついてくれたのですが、名物のシーザーサラダに限っては超絶イケメン・ビジュ爆発の兄ちゃんが目の前で仕上げてくれます。「こいつは正真正銘のスペシャリストだから安心してくれ」「サラダしか作れませんスけどね」というイケメンいじりに心和む。
完成したシーザーサラダ。酸味と旨味がきいており普通に美味しいですが、2人前で7-8千円というのは割高です(写真は取り分けた後の1人前)。まあ、イケメンが暫くの間ずっと目の前に居てくれたことですし、メンコンに来たのだと納得することにしました。
ステーキはポーターハウスを注文。193ドルと中々のお値段ですが、32オンス(約900グラム)もあることを考えれば悪くない価格設定です。というか日本のステーキハウスで同品質のものを食べることを考えれば割安とも言えるでしょう。
ビジュ爆発が引き続き肉のカットを手伝ってくれます。お肉はアメリカンビーフの最高級格付けのものを使用し、ゆっくりと時間をかけ熟成させているそうです。焼く用の炭はにハワイ産の天然の香木「キアヴェ」を用いているとのこと。
Tボーンと呼ばれる骨を挟んで手前がフィレ、奥がサーロイン。手前のフィレは期待通りの美味しさで、力強い味わいながらも綺麗な味わい。驚きはサーロインで、下処理の工程で脂を上手く除いているのか少しもクドくなく、サクサクとスピーディーに食べ進めることができました。
サイドメニューに色んな調理法のジャガイモや玄米などを選択することがきるのですが、スキンヘッドでヒゲの貫禄のあるオッチャンが「フレンチフライとベイクドポテトが良い」と胸を張って勧めるので試していると、そのへんのファストフードと変わらない普通のものでした。ああ、こういうの、アメリカって感じだなあ。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり3万円前後といったところ。アメリカは物価高・ドル高と言われ続けていますが、ことステーキハウスに限っては東京の同格の店に行くよりも安くつきます。やはり何が得意かという観点は重要なのだ。難しいのはサービスで、スキンヘッドでヒゲの貫禄のあるオッチャンのような安定感抜群の方もいれば、バイトに毛が生えた程度のポンコツも紛れ込んでおり、まさに玉石混淆。予約の際に如何に重要な会食であるかを猛烈にアピールしておき、きちんとした身なりで訪れたほうが何かと良いかもしれません。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。