キッチンリブス (Kitchen Ribs by Shun Tamura)/武蔵小山

武蔵小山のアーケードを抜けて左に折れた所に位置する「キッチンリブス (Kitchen Ribs by Shun Tamura)」。恵比寿の人気カリフォルニアキュイジーヌ「フミーズ・グリル (fummy's grill)」出身のシェフが腕を振るいます。
店内はカウンターのみ10席ほどのお店であり、ゲストの殆どは地元の方々でしょう。ネット上の情報によると、「フミーズ・グリル (fummy's grill)」のほか青山の「W」なども系列のお店のようです。
月~木曜日の20時まではハッピーアワーで、ハウスワインはグラスで450円、カラフェで1,500円と大盤振る舞い。通常料金であってもグラスが680円なので、酒飲みに優しいお店です。
真アジのカルパッチョ。身が厚く枚数も多く気前の良いひと皿。土佐酢のジュレの程よい酸味が良く合って、先頭打者として最適な味覚です。
コブサラダ。フミーズ・グリル (fummy's grill)」のボリュームを引き継ぐサイズ感であり、ムシャムシャモリモリ野菜を摂取できます。ムシャムシャモリモリ武蔵小山。
トウモロコシと白身魚のフリット。甘い甘いトウモロコシが衣のようにお魚にまとわりついており、お口の中で一体化して面白い味覚です。ありそうでない逸品だ。
地ダコと青茄子のガーリックソテー。香水臭い高級居酒屋のタコとは何だったのかと思わせるボリューム感で、ジューシーなナスとの共演が後を引く美味しさです。
スペシャリテのスペアリブ。店名に冠するだけあって玄妙極まりない味わい。これは一度煮込んでから焼いているのかなあ。スパっと骨が外れるほど柔らかく、しっとりとした口当たりです。
料理は美味しく量があり、酒は安く居心地も良しと何拍子も揃った魅力的な店でした。近所に欲しいお店。ランチも営業しているそうで、スペアリブを組み込んだセットが楽しめるとのこと。次回はお昼にお邪魔したいと思います。

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OTG(オーティージー)/目黒

私の推しのワイン系飲み屋「TRUNK(トランク)」「IRON HOUSE(アイロン ハウス)」の姉妹店「OTG(オーティージー)」がオープン。前2店とは目黒駅を挟んで逆サイドにあり、「焼肉 稲田」のすぐ近くです。
店内はカウンター席が7-8席にテーブルが数卓で、トータルでは20席強といったところでしょうか。15時オープンという面白い試みであり、しっかりとした食事はもちろんカフェ代わりや0次会にも活用できそうです。
姉妹店と同様に酒は高くなく、クラフトビールが千円ほどで、グラスワインは千円を切るものがいくつもあります。ボトルの価格も親しみやすいものばかりで、仲間とワイワイやりにくるに最適。
定番のお通し、ひと口スープ。チャージ料としてひとり500円を要するのですが、こういった工夫やきちんとしたパンが付くので納得感があります。
夏野菜のラタトウィユ。美味しいのですが量はそれほど多くなく、野菜料理はTRUNK級のボリュームだと勝手に期待していただけに、ほろ苦い孤独を味わいました。 
シャルキュトリー盛り合わせは1,280円。ラタトウィユからは一転、価格からは考えられないほどのボリューム感であり、デパ地下の高級総菜よりも安くて旨い。とりわけブーダンノワールのサイズが圧巻。このひと皿とワイン1杯で2千円程度で済むだなんて、目黒は良い街だ。
宮崎県産森林鶏骨付きモモ肉の炭火焼き。めっちゃ漢字が多く、パワポに貼り付けたら中国語認識されてしまいそうな料理ですが、その主張に負けないボリューム感。皮目ば炭火でバリっといっちゃっており、その香りが食欲を刺激します。ソースは酸味を感じさせるクリーム系のソースであり、炭火のパワーに応じた強さを誇ります。
以上を食べ、3杯飲んで8千円。都心の駅チカでこれだけ飲み食いしてこの支払金額はリーズナブル。前述の通り15時オープンなので、何かと使い勝手が良く、当店で待ち合わせて夜にまた戻ってくる、みたいな贅沢使いも楽しそう。魚介類のメニューも豊富なので、次回はそちらを炭火焼きにしてもらおうかしら。

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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。

はり重 道頓堀本店(はりじゅう)/難波

なにわっ子が肉を食べたい時に思い浮かべる店と言えば「はり重 道頓堀本店(はりじゅう)」。食べログには百名店に選出されています。

1919年創業という老舗オブ老舗であり、御堂筋と道頓堀の交差点というミナミ最強の立地に位置します。木造3階建てのお屋敷は宮崎駿監督の作品に今にも取り上げられそうです。
老舗旅館のような玄関で下足番に靴を預けたのち予約名を告げ、仲居さんに個室へとご案内頂きます(写真は公式ウェブサイトより)。個室は大小17部屋が用意されており、座敷はもちろん椅子席も用意されています。階段の昇り降りがあるので、足腰が元気なうちに訪れましょう。
ビールは大ビンで880円と、老舗の高級牛肉料理店としては良心的な価格設定です。さて、今日は家族での食事会。「やっぱはり重はええなあ、子供の頃はよく来たもんやで」「この前のお部屋と違うみたい?」「この前来た時は3階やったからな」と、ちょいちょいマウントポジションを取り始める父と母。姉は「ウチの子らもココめっちゃ好きやわ」と、都合4世代にわたって当店を利用していることに相成りました。牛肉とは歴史そのものである。
すき焼きのコースですが、軽い前菜もお出し頂けます。季節を意識したあしらいに胸キュンです。
近況を交換しながら前菜を平らげると、すぐに肉の用意が整います。当店は産地や銘柄にはこだわらず、時季に合わせてその時に良いものを出しているそう。熟成牛が流行する前から牛肉の熟成に拘っていたそうで、かなり厚めのスライスが特長的です。
お野菜もたっぷりで、旨い肉に新鮮な野菜、そして酒。思い出話に花が咲く。我ながら魅力的なディレクションである。
ちなみに調理の序盤は仲居さんが全てを担ってくれます。割り下は長時間牛すじを煮出して作る特別なものでありジットリと濃厚な味わい。すき焼きのスタイルとしては関東風とも関西風とも異なる独特の調理法です。
第一弾のお肉が仕上がりました。箸で持ち上げると、ずっしりとした重みを感じます。口に含むと実に柔らかく、噛むたびに肉汁が溢れ出します。脂の甘みと赤身のバランスが絶妙で、新鮮な卵と絡み合うと旨みが口いっぱいに広がります。
一通りビーフを堪能したのち、お野菜などを盛り付け全体を整えた上で軽快なトークと共に去っていく仲居さん。プロである。牛肉の美味しさはもちろんのこと、脇役の野菜や豆腐なども一級品の美味しさです。
ゴハンは旅館よろしくテーブルにおひつごと置かれ、好きなだけ食べてくれ方式。このコメが中々、いやかなり旨くって、やはり老舗の名店はこういった何でもない脇役のクオリティが総じて高い気がする。叙々苑は白米とコーヒーが美味しいのと同じ理論です。
ちなみに卵はひとりあたり2個用意されており、いやあ、よくわかってらっしゃる。お漬物も恐らく自家製で、抜け目ない美味しさです。
美味しかったし、何より楽しかった。やはり家族で鍋を囲んでワイワイやるというのはプリミティブな魅力がある。ちなみに当館はすき焼きが名物の日本料理店のほか、洋食店やカレー専門店、精肉店も一堂に会しており、色んな楽しみ方ができるのも便利。私は今日来ることができなかった子供たちのために牛カツサンドをオミヤで持って帰ってもらい、素敵な東京のおじさん好感度爆上がりでフィニッシュしました。

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ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化し◎〇△×と記した

年間を通じて外泊が多いので、ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化しました。

◎〇△×と記していますが、これは私が滞在した時点における感想であり、価格や為替の変動、混雑度合い、当時のスタッフの対応など偶然に因る部分も多いので、話半分に捉えてください。また、ハイアットやヒルトンは最上級会員であり、ひらまつは株主なので、素で予約する場合とは対応が異なるかもしれません。

費用対効果も重要視しています。お金に糸目をつけないお金持ちの方々とは観点が異なることをご承知おきください。

ところで、私は子連れ客とそれをコントロールできない宿泊施設を憎んでおり、そういった客層が支配的なホテルは自然と△や×が多くなります。しかしながら、これは見方を変えれば家族旅行に向いたホテルを選ぶ指標となり得るかもしれません。


【ハイアット】
<北海道>

<関東>
△:ハイアットリージェンシー東京ベイ

Schola(スカラ)/中目黒

中目黒駅から池尻方面へ7-8分歩いた格好良いビルの2階に入居する「Schola(スカラ)」。モダンフレンチのお店なのですが料理教室を兼ねており、ゲストは生徒たちが作る料理を楽しむという面白いコンセプトです。生徒たちは無給どころか教室に受講料を支払っているため、結果としてゲストの負担は小さくなるという仕掛けです。
スタッフのみんなたちは受講料を払っているだけあって真面目で真剣。そのへんの飲食店のバイトたちとは心の在り方が全く異なります(写真は食べログ公式ページより)。なのですが、やはり動きは洗練されておらず、見ているこっちがヒヤヒヤする場面もしばしば。気になる方はお店に入って左にあるテーブル席を指定すると良いかもしれません(指定できるのかどうかは知らない)。
ワインのペアリングは6杯で6,600円と良心的。そのセレクションも世界中から面白いものを取っており、料理にもピッタリ合わせてきます。ただ、キッチンスケールにグラスを置き、おそるおそる計量しながら注ぐのは流石にロマンに欠ける。たとえ素人だったとしても、それぐらい家で練習してからステージに立ちなさいというお気持ちです。
炭を練り込んで黒い系の何か。オリーブとトウモロコシに梅の風味もきいていて、小粒ながら複雑な味わいです。
ダチョウを低温調理したもの。ダチョウの味わいにつき、多くを語るほど私には経験が無いのですが、実にクリアな味わいでブラインドで食べれば牛肉に感じるかもしれません。ソースも色んな味を楽しめてグッドです。
ナス。モダンフレンチ風の焼き浸しといった調理であり、トマトな風味がきいています。
鮎は挙げてタコスのようにして頂きます。緑色のペーストにはゴーヤが練り込まれており、鮎の苦味とゴーヤの苦味が調和します。
お口直しに三輪そうめん。奈良の名産品で、腰のしっかりした独特の歯ごたえと舌ざわりが特長的。汁からは桃のフレーバーが感じられ。桃の天然水的なヒューヒューの美味しさです。
ハモはシイタケを合わせて、ブラウンチーズとホヤの風味と共に頂きます。淡泊になりがちなハモの味覚にドッシリとしたソースが寄り添います。
メインは秩父の網で採れたシカ。美味しいのですが、なんせ量が少ない。「鮨 猪股(いのまた)」のにぎり1カンにも満たない食べ応えであり、連れが近所のラーメン屋を検索し始めました。量も味のうちです。
謎に明石焼きが登場。お出汁は先のハモからで中身は左がタコ、右がフォアグラ。タコの部は普通に美味しいですが、フォアグラは美味しくないを通り越して不味かった。連れは兵庫県出身なので、拳を硬く握りしめています。
ダークチェリーの果汁(?)を凍らせてカキ氷のように削り出していきます。所々わらびもち等も潜んでおり、凝りに凝ったお口直しです。
デザートはマンゴーを主軸に置いたもので、ゴルゴンゾーラの風味と共に楽しみます。エジプトの希少な塩を用いたカクテルも一緒に楽しむスタイルでした。
ベルベーヌの風味を効かせた煎茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。以上のコース料理が9,900円で、ワインのペアリングもつけて合計16,500円というのは確かにお値打ち。料理もちゃんと美味しいです。

しかしながら、研修生たちの微笑ましいを通り越して危なっかしい動きに肝を冷やしながらの食事はそれなりに神経を使うので、16,500円というまあまあ高い支払金額は賛否が分かれるところでしょう。

あくまで企画モノのレストランであり、お友達がシフトに入った際に冷やかしに行き、広い心と深い愛で全部受け止めるつもりで訪れましょう。それが当店のトリセツです。

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日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。