nuit(ニュイ)/中目黒

中目黒駅から池尻大橋方面へ歩いて7-8分ほどの路地にある「nuit(ニュイ)」。2021年秋にオープンしたナチュラルワインが自慢のビストロです。話は逸れますが、最近「ナチュール・ワイン」って言うひと大杉ませんか?フランス語と英語が混ざって気持ち悪いと私の母が不満を漏らしていました。
店内はカウンター席が10席ほどにテーブル席が少し(写真は食べログ公式ページより)。小体ながら洒落た内装であり、中目黒らしい雰囲気です。

太田和希シェフは「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」で経験を積んだのち、「遠藤利三郎商店」や「L’AS(ラス)」、「レ・ピコロ」や「クレアトゥール」を経て当店へ合流したようです。
暑い日だったので、私はビールから始めます。ワインリストは無くスタッフと相談しながら飲みたいものを決めていくスタイルで、後から明細を見たらグラスで1杯1,500円のものが多かったです。
お通しはトウモロコシの冷製スープ。美味しいのですが、気候を考えれば甘味が強すぎる気がしました。何ならアイスクリームにしてデザートで食べたいぐらいです。
見てください、このサラダ・リヨネーズを。私が知る限り世界で最も小さく色の悪いサラダ・リヨネーズであり、これは一体どういった種類の失礼なのでしょうか。リヨンの人にチクったら血が沸騰するかもしれません。目黒の「ビストロ エガリテ(bistro égalité)」であれば同価格帯で3倍のボリュームはあります。
タコとパプリカのマリネも2人でシェアするに丁度良い量だと案内があったのですが、そのへんの定食屋の小鉢程度のサイズ感です。
馬肉のタルタルも少量で、その辺のネギトロ丼のほうが余程食べ応えがあるでしょう。周りを見渡せば、当店のゲストは飲みながら会話を楽しんでいる方々がほとんどであり、あまり料理を目当てに訪れているわけではないのかもしれません。
メインが焼きあがるまでは時間があり、腹が減って仕方がないのでパテドジビエを緊急入荷。こちらは千円ながら中々のポーションであり、クセもなくエレガントな味わい。最初にコレ5枚ぐらい発注しておけば良かったかな。
メインはリードヴォーのロースト。ようやく味が決まってきた感があり、コッテリとした肉の甘味が後を引く美味しさです。私はデザートで胃袋を埋めようかなとメニューを見ていたのですが、連れが「もうここで何食べても一緒だよ、出よう」とだけ私に告げ、さっさとバスキンロビンスに向かって行ってしまいました。ちゃんちゃん。
さすがにガッカリしました。というよりも当店はフランス料理店というよりは、カジュアルなワインを軸足に置いた気楽なワインバーであり、料理にはそれほど力を入れていないのかもしれません。食事を目的に訪れた我々が、そもそも用途を間違えただけでしょう。

客層についても、円周率が3だと思ってそうな連中がバンバン手を叩きながら大騒ぎしており、スタッフもそれを取り締まろうしません。一体どういったシチュエーションで訪れるべきお店なのかよくわかりませんでした。

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