2022年、駒場東大の人気ビストロが目黒へ移転。駅から歩いて10分ほど、権之助坂を下って左斜めに入った通り沿いのビル2階。1階には人気のイタリアン「リナシメント(RINASCIMENTO)」が入居します。
店内はフランスのカジュアルなレストランといった雰囲気で、カウンター席もテーブル席もあり、色んな用途で活躍しそう。席間にゆとりもあって居心地良し。マダムのにこやかな接客に癒されます。
田中勇一シェフはフランスで腕を磨き、帰国後は「ヌキテパ」「プティ・ブドン」「プティ・トノー」を経たのち、当店を開業しました。
メニューブックにはフランスの郷土料理がズラリと並び、フランス料理愛好家としては心躍る瞬間です。グラスワインも千円を切るものが殆どで、フランスのビストロをそのまま目黒にもってきたような既視感を受けました。
まずはジャンボンペルシエ。ブルゴーニュ地方の名物料理であり、日本語で言えば豚足とパセリのゼリー寄せと言ったところでしょうか。滑らかでつややかな口当たりが特長的で、しっとりとした豚足の食感と、ぷるんとしたゼリーの食感が楽しめます。サラダリヨネーズ。その名の通りリヨンで生まれたサラダであり、ボリューム感含めてリヨンそのままのスタイルです。鶏レバーが相当ガッツリ組み込まれており、そのへんの焼鳥屋が束になっても敵わない美味しさです。カリカリに揚げ焼きされたベーコンの食感も食べ心地にリズムを与えます。
ガレットオレリエンヌ。フランスのズッ友、オレリーさんのレシピに沿ったガレットだそうで、いわゆるガレット・コンプレット(玉子とハムとチーズ)にサラダをドッサリ乗せたスタイルです。フランス料理は高級路線だと野菜が不足しがちですが、カジュアルな店になると山ほど野菜が出てくるのが嬉しい。
カスレはフランス南西部の郷土料理であり、白インゲン豆と豚の脂が支配的な料理ですが、当店のそれは赤ワインで煮込んでいるのかビーフシチューのようなスタイルです。コッテリと濃厚で猛々しい味わい。食べ進めるごとに力が漲ります。以上を2人でシェアし、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり7千円ほど。これはごっつ素晴らしいビストロであり、フランスの空気をそのままに感じることができます。客層も地元の方が中心で地に足が付いている感じがすごく良く、港区あたりの嘘っぽいフレンチと比ぶべくもありません。家族や仲の良い友人と共にどうぞ。ランチは1,650円からだ。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- オトワ レストラン(Otowa restaurant) ←本気でフランスの料理文化に取り組んでいる。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう。
- La couleur d'ete(ラ クルール デテ) ←選んだ孤独は良い孤独。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン。
- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
- elan(エラン) ←表参道のナポレオン。
- 銀座 大石 ←自分が働くならこういう職場。
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある。
- ル・マンジュ・トゥー ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- エルヴェ(eleve) ←アラカルトでもコースでも自由自在。
- TAIAN TOKYO(タイアン トウキョウ) ←流行り廃りに捉われないマッチョな料理。
- アサヒナガストロノーム ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
- エステール(ESTERRE) ←料理もサービスもパーフェクト。外せない食事ならココ。