Strawberry Fare(ストロベリー フェア)/クライストチャーチ

我々が滞在するホテル「The Mayfair」から歩いて5分程の場所にある「Strawberry Fare」。人気の飲食店であるとは認識していたのですが、実際に訪れると紳士淑女が集う街いちばんのレストランといった風情です。
店内は屋根が高く開放的な雰囲気。1階席と2階席がありますが、2階席のほうが雰囲気が良いので、遠慮なく2階席をリクエストすると良いでしょう。
アルコールは地元のクラフトビールが12ドルで、ニュージーランドのワインがグラスで10ドルちょい、ボトルでも50ドル程度から始まります。ちなみに私が訪れた際は1ニュージーランドドルが90円ほどでした。
エビをシンプルに焼いたもの。直球勝負のエビであり、大ぶりで食べ応えがあります。このエビ料理を不味いという人間はそうはいないでしょう。
牛肉のサラダ。野菜の美味しさは当然として、思いのほか牛肉がたっぷり組み込まれているのが嬉しい。薄切りでケチな肉ではなくサイコロステーキ的なしっかりとしたビーフであり、これを前菜に摂ったらそれだけで満腹になりそうです。
昼食の量が多かったため軽めのディナーとしましたが、ひとつひとつの料理は素材の味が活きており、東京の下手なレストランよりも全くリーズナブルに感じました。
ちなみに周りのゲストを見渡すと、メインをひと皿だけ注文し、追加料金のサイドメニューとして野菜を摂り、あとはデザートでお楽しみという注文スタイルの方が殆どのようです。次回はラムを焼いたやつなんかにチャレンジしたい。

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東京最高のレストラン2024
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

目黒それがし

五反田を拠点とする「それがし」グループが恵比寿に続いて目黒にも進出。私とはあまり波長が合わない飲み屋系列なのですが、グループのひとつ「LOVAT(ロバット)」が素晴らしかったので、改めて当店を試してみることに。目黒駅前の飲み屋ビル「サンファリスタ目黒」の2階です。
入って驚き、店内が思いのほか広く、50席近くありそうです(写真は食べログ公式ページより)。迷路のように入り組んでおり、カウンター席のほかテーブル席も多い。タイミングによっては予約ナシでも入れるのですが、予約して訪れるのが無難でしょう。
生ビールは880円で、日本酒は徳利で千円強といったところ。このあたりの飲み屋としては一般的な値付けです。日本酒が得意なのか、かなりの種類を取り揃えていました。
我々は7,700円の「おまかせコース」を注文。まずは「三代目ポテトサラダ」で、ポテトサラダの上に半熟玉子をオンします。ソースは酒盗を用いているのか後を引く旨さであり、のっけから酒を呼んでしまいます。
続いて「〆鯖と鰯の太巻き」。〆鯖と鰯を漬物などと共に巻き込んだもので、こちらも味が濃く酒が進みます。シャリはそれほど多くないため、ツマミとして活用するのが吉。
焼魚は銀ダラ。脂が充分にのりつつ凝縮感もあって、白ゴハンが欲しくなります。
キャベツの酒盗炒め。美味しいのですがまた酒盗かよという気持ちもあり、量も少なく、これをひと品としてカウントするのはどうなんだろう。
メンチカツは一般的なそれとは異なり、赤ワインで煮込んだ肉を揚げているようです。不味くはないのですが、やりすぎな面も否めなく、食べ疲れました。あと、このあたりから皿出しのテンポが妙に悪くなってきました。
地鶏炭火焼き。こちらも確かに地鶏なのかもしれませんが、単に炭火で焼いただけであり、全然美味しくありません。トップティアの鶏料理店はやっぱすげえんだなと再認識しました。
〆の食事はイクラご飯で、また卵黄かよというお気持ちです。もちろん美味しくはあるのですが、流石に発想が幼稚な気もします。ちなみに隣客の「太巻きデラックス」にもウニ・イクラ・そして卵黄がトッピングされており、インスタ映えへの功名心が透けて見えます。
ゴハンものには味噌汁も付きます。味わいは一般的な定食屋のそれであり、客単価1万円の店のそれとしては手抜きに感じました。
とってつけたようなデザートでフィニッシュ。ごちそうさまでした。
パっとしない料理でした。酒盗や卵黄を多用し、ショーウィンドーのような味覚が連続し、芸がありません。皿出しのテンポが悪い割に時間制限は厳しく、2次会必須の1次会といったところでしょう。「LOVAT(ロバット)」の素晴らしさとは何だったのか。よくわからなくなってきました。

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初場所(はつばしょ)/中目黒

中目黒駅から池尻大橋駅方面へ歩いて10分ほどの「初場所(はつばしょ)」。居酒屋業界では有名なプロデューサー(?)2人がタッグを組んで始めた「普通の居酒屋」ということで、界隈では話題となりました。
店内は思いのほか広々としており、ズラっと長いカウンター席に加え、テーブル席と小上がりもあり、様々な用途に対応できます。蛍光灯がギンギラギンでロマンの欠片もありませんが、逆に言えばピッカピカに清掃が行き届いていることがよくわかり、店名の語感とは真逆のクリンネスが感じられました。
ハイボールやサワー類は500円を切り、瓶ビールも690円と良心的な価格設定。スタッフの動きもテキパキしており、皆とても感じが良いです。「ここは昼から夜まで通し営業で、夜でも定食を出してくれんで、みんなで『社食』って呼んでます」とは近場で会社を経営する連れの談。
看板メニューの「牛煮込」は490円。その価格からは考えられないほどの高品質な牛肉が用いられており、ジューシーなバラ肉にトロトロと粘着を感じるゼラチン質。煮込みとしてパーフェクトと評して良い傑作です。
「初場所サラダ」がとんでもないボリュームでやってきました。雨後の筍の如く出店するサラダボウル屋を遥かに凌駕する質および量であり、小食な女の子であればこれ一杯で満腹になってしまうのではなかろうか。
南蛮漬けもでっかい切り身がガンガンガンと揚げられており、ザブンと気前よく酸味が効いています。前日にケチ臭いポーションの居酒屋で飲み食いしてきたばかりだったので、感動もひとしおです。
こちらはなめろう。当店は実にカジュアルな雰囲気ではありますが、お魚はお店できちんと捌き、何なら肉まで切り出して調理するという姿勢。店構えからは考えられないラインナップの魚が用意されています。
甘酢の肉団子。これはまあ普通ですね。とは言えこの盛りつけでひと皿590円なので、妥当と言えば妥当かもしれません。    
以上を食べ、結構飲んでお会計はひとりあたり5千円もしなかったかな。支払金額が控えめなのが嬉しいのはもちろんのこと、いずれの料理もきちんと美味しいのが素晴らしい。定食メニューは昼も夜も結構な種類を取り揃えられているので、「社食代わりに使ってます」とのエピソードにも納得。近所にあれば間違いなく通い詰めてしまう酒場です。

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FORNI(フォルニ)/二条城前(京都)

世界遺産である二条城すぐ近くに開業したラグジュアリーホテル「HOTEL THE MITSUI KYOTO(ホテル ザ ミツイ キョウト)」。もともとは250年以上にわたって存在した三井総領家の邸宅であり、外国人であればテンション爆上げ間違いなしの建屋ならびに立地です。
この日はイタリアンダイニングの「FORNI(フォルニ)」にお邪魔しました。青山一丁目「THE BURN(バーン)」の米澤文雄シェフが監修しているそうで、このひと最近いろんなところで名前を見かけるなあ。そのうち隈研吾みたいになるんとちゃうか。
私がお行儀良くしていたからか、グラスワインをダッバダバに注いでくれました。当店はラグジュアリーホテルのダイニングだけあって、ワインはもちろん何もかもがバリ高いのですが、その空間設計や接客、料理の提供タイミングなどなど全てが完璧で納得感があります。
お口取りはズッキーニのポタージュ。夏らしい健康的な味覚であり、青い風味が口腔を満たします。奥の棒状のものはパイ生地で構成されており、サクサクとした口当たりにコクのある味わいが印象的。
カプレーゼ。色んなトマトを起用しており見た目爽やか。チーズはもちろん水牛のもので、そのリッチな風味がジェノベーゼソースの深みのある味わいによく合います。

ちなみにモッツァレラ・ディ・ブッファラ・カンパーナとブルネッロ・ディ・モンタルチーノはチーズとワインに詳しい方にとっては基本のキですが、ド素人からすると何だかイタリア語をスラスラと話している風に聞こえるそうなのでオススメです(何が)。
フォカッチャはトマトの風味がきいています。口に含むとジュワっとジューシー。私の好きなタイプです。
パスタは「淡路麺業」という、業務用生パスタ専門の製麺店謹製のカサレッチェ。美味しいのですが、ホテルのダイニングでそれなりに数は出るのだから自分とこで作れば良いのに、とも思いました。そのロマンの無さで全体としての味わいも割り引かれてしまったような気がします。
メインは豚バラ肉のグリル。豚肉は自慢の窯でガガっと焼いて風味が増します。ソースはイチジクを活かした酸味のあるソースで洒落た味わい。赤キャベツのコールスローも色合いがかわちいです。
デザートはセミフレッド。京丹後産のメロンと甘酒を用いており、府外のゲストにとっては夢や憧れをかきたててくれます。
食後のお茶とお茶菓子。紅茶はポットでドーンと置いていってくれ、たっぷりと楽しむことができました。
食事そのものは美味しいですがシェフの顔の見えない料理でもあり、良くも悪くもホテルのダイニングだなあという印象。それでもこの余裕のある空間と接客(サービス料は15%だ)には心が満たされるものがあり、たまにはホテルのダイニングも良いものだなあと感じ入ったディナーでした。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。

広尾のカレー

広尾散歩通り商店街にある「広尾のカレー」。どの街にも必ず1軒はありそうな素朴なカレー専門店なのですが、テレビ番組「嵐にしやがれ!」の「東京イイ店クドイ店」コーナーで松潤と相葉くんが訪れたことをキッカケに、嵐ファンの聖地となりました。
私は店内カウンター奥から2番目の席にかけたのですが、「ここは相葉席!」と油性ペンでハッキリと記されていました。このように店内は芸能関係者のサインとそのファンたちのメッセージに満ちており、耳なし芳一的な迫力を感じさせます。

ちなみに私の左が松潤席、右はアンジャッシュ渡部の多目的シートです。ちなみに阿部サダヲも当店のカレーを愛してやまないそうで、不思議と芸能界に縁のあるお店なのかもしれません。
私は「肉肉カレー」を注文。1,680円です。1軒目は渋谷の予約困難な高級居酒屋にお邪魔していたのですが、あまりに香水臭くて途中で帰って来たので胃袋にまだまだ余裕があります。
「肉肉カレー」はその名に違わず凄まじい肉量です。普通のカレーに生姜焼き定食が悪魔合体したようなボリューム感で食べ応え抜群。カレールーは牛テールを数時間煮込んだものなのですが、豚肉の迫力に押し切られてしまった感は否めない。純粋に牛テール風味を楽しみたい方は、フラッグシップの「広尾のカレー」を注文すると良いでしょう。
ライスにはキャベツの千切りが山盛りトッピングされており、ベジファースト族には堪らない仕様です。ドレッシング(?)が独特の味付けで後を引く美味しさ。
ライスはカレー専用米の「新潟妙高上越産華麗舞」を用いているそうで、その暴走族のようなネーミングが心に残ります。表面がパラパラとした口当たりでサクサク食べ進めることができるのが特長的。
以上のカレーが1,680円。カレー単品と考えれば高価に感じますが、あのボリューム感は何何物にも代え難く、尊い。芸能界への関与を抜きにして魅力を感じさせるカレーであり、夜遅くまで営業しているのも嬉しい(私は香水臭い予約困難店帰りだったので22時近くにお邪魔しました)。加えて酒やツマミも充実しておりテーブル席もあるので、飲み屋使いもできそうです。

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広尾は初デートに良い街です。謎にハイセンスな雰囲気と下町的な親しみやすさが同居する。飲食店も都内トップクラスの名店が比較的リーズナブルな価格設定に落ち着いています。
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