烏丸御池駅から歩いて5分ほど、間之町通り沿いにある「To.(トゥ)」。京都市役所前の私の好きなイタリアン「fudo (フウド)」の姉妹店であり、2020年とコロナタイムに開業しつつも手堅く地元民の評判を集め、すっかり予約の取れないお店となりました。
店内は厨房に面したL字型カウンター席が8席に、2人掛けの小さなテーブルが2卓(写真は食べログ公式ページより)。予約で満席が当たり前の店なのに、なぜかフリーで訪れるチャレンジャーが多く、10組近くが肩を落としながら帰って行きました。ご利用は計画的に。
瓶ビールはハイネケンが770円と、京都のこの手のレストランとしてはこんなもんでしょうか。レモンサワーは880円とまあまあの価格設定なのにグラスが小さい上にほぼ氷なので、そのつもりで注文しましょう。
ツマミに「煮卵バーニャカウダ」。いわゆる半熟の煮卵にソースをドロリとぶっかけます。見た目の通りの安定した味わいです。
人気の「炙り〆さばとアボガド わさび醤油マリネ」。シメサバを炙った後にマリネしているのでしょうか、しっかりと酸が効いており見た目以上に爽やかなひと品。アボカドの熟れ具合がちょうど良かったのも二重丸。
「蝦夷鹿とワイルドクレソン 山椒のお浸し」は、レアっぽいタッチの蝦夷鹿がいいですね。これは低温調理と言うのでしょうか、力強い鉄分が食欲を掻き立てます。せっかく京都に来ているのでハモをフリットで。万願寺唐辛子やオクラなどを細かく刻んでサルサソース風に仕上げているのがオシャレです。
麻婆豆腐は挽肉の代わりにサルシッチャを使用しており、なるほど妙味のある起用法です。他方、スパイシーさに欠け妙に甘ったるく感じた場面もあるので、好みが分かれるところかもしれません。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり1万円弱。「fudo (フウド)」に比べると創作料理感が強くポーションも小さめなので、居酒屋使いするのであればもってこいのお店。店員さんたちは人気店だからといって少しも驕ることは無く感じ良いのですが、料理の提供スピードが遅い割に時間制限に厳しい(次の予約が入っている)ので、使い勝手は中々に難しい。当店でパーっと食べて、酒は2次会でじっくり、といった使い方が良いでしょう。
関連ランキング:居酒屋 | 烏丸御池駅、丸太町駅(京都市営)、京都市役所前駅
関連記事
京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
- 木山(きやま)/ 丸太町 ←マイ・ベスト・京都メシ。おひとりさまも大歓迎。
- にくの匠 三芳(みよし)/祇園 ←これは確かに匠だわ。確かに肉の匠だわ。
- 祇園にしかわ/祇園 ←今の東京は何かが狂っていると言わざるを得ない。
- CAINOYA (カイノヤ)/四条河原町 ←鹿児島で国内外のフーディーを集める店が京都に移転。
- Gibier MIYAMA(ジビエミヤマ)/祇園 ←ダークファンタジー。
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町 ←足し算の中華料理。
- 室町 和久傳(むろまちわくでん)/烏丸御池 ←やっぱり和久傳が好き。
- 田がわ/御幸町 ←幸村卒業。近い将来、星獲得間違いなしのリーズナブルな和食。
- 又吉/祇園 ←雰囲気のある街並みに溶け込む費用対効果抜群のお店。
- 末友/祇園 ←ミシュラン2ツ星。非の打ち所が無いお店。
- 祇園にし/祇園 ←こちらも非の打ち所のないお店。
- 十牛庵/高台寺 ←ひらまつが手がける和食店。ワインがめちゃめちゃ安い!
- レストランひらまつ 高台寺 ←立地や雰囲気が抜群。
- 祇園 呂色 (ぎおん ろいろ) ←円熟味を増した料理人は儲けよりもゲストの笑顔を直でゲットする方向に向かう。
- 呑喜屋むね(のんきやむね)/御所南 ←ここが私のアナザースカイ。
- 山元麺蔵 (やまもとめんぞう)/岡崎 ←私が世界で一番旨いと考えるうどん屋。