ミシュラン1ツ星で、食べログではブロンズメダルおよび百名店に選出された「モトイ(MOTOI)」がギョーザ専門店として「モトイギョーザ」を2020年に開業。当店としてもミシュランではビブグルマンに選出。錦市場の近くに位置し、観光客にとってもアクセスの良い立地です。
店内はギョーザ専門店というよりはカフェっぽい雰囲気で、妙に外国人が多いのが印象的。ちなみにフランス語でギョーザは「ラビオリ・シノワ(中華風ラビオリ)」と言いますこれ豆な。
スタッフはバイトちゃんだらけという印象で、オープンキッチンなのでとにかく動きが悪いのが丸見え。西大路の「ミスター・ギョーザ」の「出会って4秒でギョーザ」オペレーションを見習って欲しいところです。
昼飯時はランチセットを提供しており、私は「パパ餃子 ランチセット」を注文。1,200円です。注文が入ってから冷凍のギョーザを焼き始めるので焼き上がるまでに時間を要します。この、客席から冷凍食品が丸見えという運用もロマンに欠けていかんですな。
ランチセットにはミニサラダが付きます。よだれ鶏風の鶏胸肉がトッピングされており、中華風のコッテリとしたタレに良く合います。野菜の品質も上々で、結論を申し上げると餃子よりもミニサラダのほうが美味しかった。
主題の「パパ餃子」。ニンニクを使わずにショウガとパクチーを軸に組み上げ、オリーブオイルと岩塩で頂きます。が、うーん、これは、不味くはないですが美味しくもないですね。全体的にボヤっとした調味でありメリハリが感じられません。この餃子が単品で900円というのは高杉だと思います。
ライスは普通の炊飯器で普通に炊いた普通の米であり、普通の定食屋の普通のライスと同等です。えらい冷めていたのが気になりました。
味噌汁は根菜を中心に具沢山なのですが、火の通りが甘く生煮えで全然美味しくありません。加えてライスと同様に妙にぬるいのが気になりました。
味噌汁は根菜を中心に具沢山なのですが、火の通りが甘く生煮えで全然美味しくありません。加えてライスと同様に妙にぬるいのが気になりました。
これは何かの間違いかもしれないと思い、確認の意味を込めて「モトイ餃子」を単品で追加注文。700円です。こちらはニンニクを多用しているものの、やはり輪郭がはっきりしない味わいであり、紅虎の棒餃子のほうが数段美味しいなあという印象です。
以上を食べて1,900円。京都の繁華街の気軽な定食屋という意味ではこんなものかもしれませんが、「ミシュランの!星付きの!」とメディアで喧伝されているほどの価値は感じられませんでした。
「モトイ(MOTOI)」へのゲートウェイにもなり辛いクオリティだし、私のように元々「モトイ(MOTOI)」が好きだった界隈からは実にガッカリとさせられる世界観。ブランドの棄損とはこういうところから始まるのかと教訓を得たランチでした。
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