大國屋鰻兵衞(おおくにや まんべい)/錦市場(京都)

錦市場から堺町通を上がったところにある「大國屋鰻兵衞(おおくにや まんべい)」。ミシュラン星付きの「なる屋」のお隣です。錦市場にある川魚屋「大國屋」の三代目が2018年に開業した地焼うなぎと御竈飯(おくどはん)の専門店です。
店内はこれぞニッポンといった誂えであり、どデカい書画が印象的。予約の時間に合わせてゴハンを炊いているので、必ず予約して訪れましょう。万一フリーでお邪魔できたとしても、そこから米を炊き始めるので数十分は待つようです。
メニューなどは一切なく、「美味しい鰻と美味しいご飯」の一択です。7千円。注文が取られることは無く、着席してしばらくすると自動的に供されます。
鰻は腹から裂いて、頭を付けたまま香ばしく焼きあげる関西風の蒲焼きです。ただしバリバリに焼くかというとそうでもなく、ふっくらとした口当たりが印象的。
予約時間に合わせて土釜で炊き上げられるゴハン。つやつやと美しくなるほど白米界隈では最上級の美味しさと言えるでしょう。
ちりめん山椒に奈良漬けに、中央は「ぶぶうなぎ」。うなぎの白焼きを山椒とタレで炊いたものであり、鰻の美点が凝縮された味覚です。
お椀はハマグリなのですが、ちょっと味付けが繊細すぎるきらいがあり、わかり易い味付けを好む私の口には合いませんでした。
〆はほうじ茶を注いで「ぶぶうなぎ」のお茶漬けに。ほうじ茶のお茶漬けとはありそうで無い味覚です。
以上を食べて1人前7千円。間違いなく美味しいのですが、量がそれほど多いわけでなく、ちょっと高いなあというのが素直な気持ちです。同じ予算感であれば大津の「う嵐」のほうがウナギ食った感に満ちています。伝統と格式を楽しむのにも金がかかるのだ。

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