L.A.F(ラフ)/広尾

天現寺交差点から近く、私の推しのフレンチ「レストラン アラジン」の地階にイタリアンレストラン「L.A.F(ラフ)」がオープン。「アロマフレスカ(Ristorante Aroma-fresca)」揺籃の地にイタリアンレストランっておもろいなと思いきや、なんと同店出身の2人のシェフがオープンさせたお店だそうです。
店内は色々と入り組んだ間取りであり、お忍び用に入口の異なる個室があるのがこの土地ならではの特徴と言えるでしょう(写真は食べログ公式ページより)。

大谷敬太シェフと飯尾大輔シェフは前述の通り「アロマフレスカ(Ristorante Aroma-fresca)」出身であり、本当に2人で交代ばんこで料理してサービスも入れ替わりでやって来るのが面白い。
ワインのペアリングは1万円ですが、ワインリストをお借りすると悪くない値付けであり、ちょっと知っている方であればボトルで注文するのも良いでしょう。ミネラルウォーターは800円で、川越達也シェフが800円の水で炎上した時から10年以上経っているのにこの価格設定なのは、インフレを加味すれば良心的とも言えます。
まずは鮎。初手が作り置きでなく、ゲストの来店と同時に揚げ始めてくれるのが良いですな。底に敷かれたタプナードやパクチーと合わせて夏らしいひと品です。
シマアジは元気いっぱいのメタボ体質で、筋肉と脂身のバランスが良いですね。谷中生姜のスパイシーな味覚とサルサヴェルデの青い味わい含めて洒落てます。
アナゴは甘長唐辛子と合わせます。悪くないのですが、ちょっとサイズが小さすぎて記憶に残りづらい。当店の料理は全般的にポーション小さめの皿多めなので、女子向けなのかもしれません。
パンは自家製のフォカッチャにクルミパン、バゲット、ライ麦パンと、たくさん用意してくださいました。とりわけライ麦パンの深みのある味わいがメインのお肉に良く合っていた気がします。
パスタひと皿目はスパゲッティーニ。しらすとカラスミを用いており、日本酒が似合いそうな味覚です。
続いてタリアテッレ。仔羊を煮込んだソースにジロール茸を加えリッチな味わい。当然に美味しいのですが、大食漢の我々にとっては量が少なく感じました。
お魚料理はオコゼ。フルーツトマトやミョウガなど脇役陣も豪華であり、すがすがしい味覚です。
メインはビゴール豚。フランス原産の黒豚であり、肉の風味が実にクリア。さっくりとナイフが入り、そのままスルスルと流れるように胃袋に落ち着きます。ダイナミックなカットのゴーヤの苦味とも不思議と調和します。
〆にラビオリが出てきます。旬の野菜を用いるそうで、この日は焼き茄子。リコッタチーズも共に組み込まれており、淡い酸味と香ばしい風味が歩み寄る。
デザートはバニラのアイスクリームにアメリカンチェリー。お料理は複雑な仕立てであったのに対し、甘味は意外にシンプルです。
お茶菓子と紅茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。以上のコースが1.5万円に2人でワインを1本飲んでお会計はひとりあたり2.2万円。立地や格式を考えればリーズナブルであり、ワインや食材選びとその調理に所々フランス料理っぽいニュアンスがあるのも興味深く感じました。

少量多皿なのは好みが分かれるところかもしれませんが、最近の広尾は「San Ciro(サン チーロ)」のようにイタリアンイタリアンしたイタリア料理店が多いので、意外に狙い目なスタイルなのかもしれません。デートにぴったりだ。

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