目黒駅前すぐの伏魔殿「サンフェリスタ目黒」の地下1階に入居する「手打ちそばと酒 いいかげん」。ギョっとする店名ですが、もちろんきっと「良い加減」の意味でしょう。店主は「江戸東京そばの会」という、有名蕎麦店を輩出し続ける秘密結社の重鎮だそうです。
店内はカウンターに6-7席とテーブルが1卓のみ。店内には歴史を感じさせるサインなどが飾られており、なぜか店主がマイケル・ジャクソンと肩を組んで写真に映っていたりします。
いわゆるワンオペの店であり、ビールはセルフで冷蔵庫から引っ張り出してこなければならないし、割り物系の酒も自分たちでつくる必要があります。みんなで作り上げるお店です。店内のお品書きを見渡す限り料理は「本日のそばセット」のみであり、今風で言うとコース料理一本勝負です。
「そば粉のチヂミ」はニラたっぷりで香りが良く、フランス風のガレットとはまた違った魅力を感じさせる味覚です。
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まずは「おつまみ盛り合わせ」なのですが、これぞ盛り合わせと讃えたくなるほど豪華なラインナップ。これで一人前ですからね。いずれの料理も手が込んでおり、こりゃあ仕込みが大変だぞ。
続く「玉子焼き」はホテルの朝食を超える勢いのサイズ感であり、お出汁がジュワっときいてバリ旨い。加えて中にはホロホロの鰻(?穴子?)も組み込まれており、蕎麦屋で食べるものとしては最上級の美味しさです。
「気まぐれサラダ」はニューヨークスタイルのチョップドサラダであり、カリッカリに揚げ焼きしたベーコンが良い味を出しています。「そば粉のチヂミ」はニラたっぷりで香りが良く、フランス風のガレットとはまた違った魅力を感じさせる味覚です。
〆はもちろん手打ちそば。細くキラキラと輝くスタイルで、程よくコシも感じられます。風味豊かで喉越し抜群。ザザっと1分も要さずに食べ切ってしまったかもしれません。蕎麦湯はトロトロ白濁タイプで乙な味。
以上を食べ、ハートランドを2本飲んでお会計は6,700円。蕎麦屋で飲むだなんて大人マックスな感じで背伸びピンピンですが、これぐらいの支払金額に落ち着いてくれるのは嬉しいですね。何より色んな種類の料理をボリュームたっぷりに楽しむことができるのが嬉しい。
「TRUNK(トランク)」など「サンフェリスタ目黒」は若者向けの魅力的な飲み屋が並びますが、当店は激シブ穴場店。小さなお店なので予約をして訪れましょう。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。