中目黒と目黒の間にある地元っ子に評判のビストロ「ビストロ ミカミ(BISTRO MIKAMI)」。山手通り沿いにあり、目黒警察署や「ラーメン二郎 目黒店」から徒歩数分に位置します。
我々は早い時間に予約してお邪魔しましたが、日が暮れると共にゲストの数は増えていき、19時にもなればもう満席。ご近所住まいの生活に余裕がありそうな中高年が主要な顧客であり、創業から30年という歴史の重みを感じさせます。グラスのシャンパーニュが1,200円で、そのほかのワインも全般的に良心的な価格設定。黒板にビッチリと書き込まれた料理から好きなものを好きなだけ注文します。チャキチャキしたノリのマダムの接客が特長的で、私とても可愛がってもらえました。
帆立とホウレン草のベーコン入りサラダ。思いのほか帆立とベーコンの量が多く、酒のツマミになってしまうサラダです。
オニオンのキッシュ。料理名の通りタマネギがたっぷりと含まれており、オニオングラタンスープを個体化させた料理です。
カニ肉のクレープ包みグラタン。間違いなく美味しいですが、当店は全般的にポーションが小さいですねえ。これを2人でシェアして食べるとひと口でおしまいであり、なかなか記憶に残りづらいです。イワシの香草焼き、ラタトゥイユ添え。脂たっぷりのイワシを思い切り良く焼き、香草の風味と共に香り高いひと品です。
豚足とジャガ芋のコロッケ。かなり待った上に、そのひとつひとつが親指大のサイズというのは食べ応えがありません。また豚足が入っているのかどうかもよくわからんかった。
唐突に和牛ハンバーグがやってきました。うーん、確かに注文はしましたが、わたし的にはメインディッシュのつもりだったので、この量このタイミングというのは気術無く感じました。
ここでスープドポワソン。うーん、仕込み済のものをリヒートするだけだと思うのだけど、なぜ終盤のハンバーグの後に出すのだろう。味は良いだけに、色々と勿体ないなと感じます。
ビストロと銘打ってはいますが、パスタのラインナップもかなりのものです。こちらはカニのパスタであり、トマトクリームを土台に甲殻類の風味が溶け込んでおり、リッチなひと品です。
真のメインとしてシャラン産 鴨モモ肉のコンフィ。王道中の王道といった仕立てであり、伝統的な美味しさです。
以上の料理を2人でシェアし、軽く飲んでお会計はひとりあたり1万円強。いずれの料理も美味しく選択肢が山ほどあるのは嬉しいですが、出てくる順番はバラバラな上、かなり待たされるのは難しいところ。メニューを減らしてポーションを大きくすればいいのにとも思いますが、それは、まあ、当店の芸風というか、当店を支える常連客の趣味嗜好のなれの果てなのかもしれません。洋風居酒屋でワイワイやるつもりでどうぞ。
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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。