2017年に閉店した人気うどん店「釜たけうどん」の店主、ムッシュ木田武史が2018年に新たに開業した「き田たけうどん(きだたけうどん)」。日本橋オタロード(フィギュアやアニメグッズ、プラモデルなどの専門店街)の脇道に位置し、こちらも連日の行列を誇ります。ミシュランではビブグルマンを受賞し、食べログでは百名店に選出。
連日の行列と記しましたが、平日の開店直後であれば並ばずに入店することができます。それでも客席は半分以上埋まっており、みんなシャッターして待ってたんかな。座席はカウンター席とテーブル席がバランスよく配置されており、おひとり様でもグループでも楽しむことができます。
私は「海老天ぶっかけ」に「たまご天」を追加。前者が1,400円で、後者が140円です。うどんはデフォで400グラムもあり、細麺であるため丼にギッチギチに詰まった密度は一見の価値あり。ズッシリと重く麺を引っ張り出すのも一苦労。見た目は爽やかですが、質量は二郎系を超えてくるかもしれません。ちなみに大盛は麺だけで600グラムもあります。
麺だけでなく、海老天も大迫力。こんなに大きな海老が2本も乗って1,400円というのは実にお値打ち。「スタンドふじ 本店」のごちそうエビフライもそうですが、大阪は海老を揚げた料理について気前が良いのかもしれません。オマケでゴボウを揚げたんも添えられるのが嬉しいですね。主題のうどん。関西に讃岐うどんを広めたうどんエバンジェリストの第二ステージは細麺の機械打ち。ガシガシのコシを主張する讃岐うどんから一転、モチモチとした食感で瑞々しい口当たり。程よく柔らかく、つゆとの馴染みが良いです。
「たまご天」は完璧に半熟で(「完璧に半熟」って変な表現だ)、卵黄のトロリとした口当たりが天ぷらの衣に心地よくフィットします。以上を食べて1,540円。一見、うどんとしては高価に感じますが、そのへんのうどん屋の倍以上の量が盛り込まれ、ドデカイ海老天が2本も付いての結果なので、私は寧ろ割安に感じました。
ところで当店は昼のみ営業のうどん屋なのですが、なぜか日本酒専用のショウケースに一升瓶が数十本スタンバっており、いずれも1杯500円ほどで楽しむことができます。なるほど各種の天ぷらやフライ、ハムカツ、ヒレカツをツマミに酒を飲むのも楽しそう。行列してるのにそんなに楽しんじゃっていいのかしら。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。