後藤大輔シェフが広尾「LA ROSA DEL VIGNETO(ラ ローザ デル ヴィニェート)」を2016年に閉め、充電期間を経て2020年11月に「ダ ゴトウ(Da GOTO)」として再始動。店名はイタリア語で「後藤家」を意味します。場所は日本橋室町で、近くに駅が10個ぐらいあってとっても便利。
酒を飲まない客NGな店であり、みなジャンジャン飲む雰囲気で楽しい空間。我々もボトルを中心に組み立てジャンジャン飲みました。
お通しにオリーブや小麦粉焼いたやつ等々。ゼッポリーニのサクッとした軽快な歯ごたえと磯の香りがバリ旨い。わおー、この前菜盛り合わせはスゴイですね。イタリアンでここまで凝ったツマミは中々なく、下手のフランス料理店のそれを全く凌駕します。味ももちろん素晴らしく、とりわけタコのテリーヌ的なブツに心を惹かれました。
ホワイトアスパラガスにアスパラソバージュ。素材を活かした優しい調理であり、アクセントに組み込んだハモがホクホクと美味しい。ちなみに当店はニンニクや乳脂肪などを用いたパンチのある調味を極力避け、旬の食材の風味を大切にしているとのこと。
パンは見た目は素朴ですが、噛みしめるたびに穀物の優しい甘みが感じられます。正方形のパスタには色んな種類の貝類を組み合わせ、ジェノベーゼソースで全体を取りまとめます。パスタのモチモチとした食感に貝のコリコリとした食感がベストマッチ。おかわりしたい旨さである。
お魚料理はシロアマダイ。皮目はパリッと香ばしく身はふっくら。上品な甘みと旨味が凝縮され脂の乗りも良い。日本料理のニュアンスを感じさせる調理ですが、サクラエビたっぷりのソースで抑揚をきかせています。
お肉料理は3種類で、鴨に牛に羊。鴨は青森のものだそうで、皮目のジュワジュワした部分と筋肉質な部分が目覚しい美味しさ。牛はランプ肉を綺麗に焼き、羊は煮込みでコッテリと、様々な味覚を楽しむことができます。
もう少し食べれそうだということでパスタを追加注文。手打ちのトロフィエであり、もっちりとした弾力が特長的。ウサギのラグーソースが良く絡み、酒の進む炭水化物です。
〆に優しい味わいのデザートを楽しみごちそうさまでした。以前の店舗ではランチで軽く食べただけなので、その真価を正確に測ることは叶いませんでしたが、夜にシッカリ食べると最高オブ最高。全体的に優しい味付けで量を食べても食べ疲れないのが良いですね。
客層も安定しており、みな食事に対する価値観が似ているような気がします。アラカルトでの対応も可能だそうで、次回は単品でジャンジャン注文してみたいと思います。
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イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。