Auberge eaufeu(オーベルジュ オーフ、宿泊・朝食)/小松市(石川)

小松市は観音下(かながそ)の西尾小学校を改装し、廃校オーベルジュとして再出発した「Auberge eaufeu(オーベルジュ オーフ)」。メインコンテンツは「RED U-35」という35歳以下の料理人を対象にしたコンクールで最年少26歳でグランプリを受賞した糸井章太シェフの料理であり、ゴエミヨに掲載され、食べログではブロンズメダルを受賞しています。
外観こそは小学校ですが、ロビーはインダストリアルな雰囲気で、コストコや成田第3ターミナルを超オシャレにしたような雰囲気です。ちなみにこのロビーはカフェとしても機能しており、ビジターでの利用も可能とのこと。
お部屋まで移動します。おおー、これは、廊下だ。なるほど小学校の空気を残すノスタルジックなデザインであり、思わず駆け出したくなる居心地の良さです。
お部屋は「デラックスツイン TYPE A」にご案内頂きました。広さは34平米とのことで、元々は音楽室があった場所だそうです。
寝具は正直イマイチですね。ギシギシとしたスプリングのマットレスにフニャフニャのベッドパッドが挟まっておりパっとしません。年の半分近くを外泊に費やしていると、こういう所にとても敏感になります。ちなみにヘッドボード上にある絵はムッシュ小川貴一郎の作品であり、館内には彼の作品が至る所に展示されています。
ひとりがけのソファとワーキングデスクも用意されています。ネット環境は思いのほか快適で、下りで80Mbpsは出ていました。また、テレビなどのディスプレイの類は一切置かれていないのがクールです。
クローゼットは一般的なものであり、1-2泊するには充分な大きさと言えるでしょう。
ミニバーについてはお茶とミネラルウォーターのみが無料であり、その他のアルコールやソフトドリンクは全て有料です。冷蔵庫の音がブーブーうるさいので、個人的には正直いりません。
ウェットエリアに参ります。音楽室をよくここまで今風にリノベーションしたなと感心する誂えであり使い勝手良し。他方、アメニティは有名どころのものでなく、ザ・消耗品といったところでした。
バスルームにはバスタブも設置されており広々としています。我々は夏に訪れましたが、雪の深い時期には有難い仕様かもしれません。
トイレは独立式で、当然にウォシュレット完備でした。
共用設備に参りましょう、と言いたいところですが、当館はフィットネスルームなどの気の利いた設備は存在せず、レストランと客室があるのみです。周辺の観光地も「観音下石切り場」だけであり、ああ、石が切られているなあという程度です。
屋上は「KANAGASO TERRACE(観音下テラス)」と称してゲストに開放されています。中央にあるのは臨時のサウナかな。特に案内は無く、使用されている形跡も見当たりませんでした。
待ちに待ったディナーは1階のダイニングで楽しみます。食事は全く素晴らしいものでしたが、アルコールペアリングの割高感が否めなく、完全にシェフの足を引っ張る仕様気の毒に感じました。詳細は別記事にて。
朝食は発酵をテーマとした和朝食。中でもだし巻き卵のジュワっと感と、キノコたっぷりのお味噌汁が心に残りました。もちろん美味しいのですが、ひらまつ系のオーベルジュのラグジュアリーな朝食に比べると地味地味であり、物足りなく感じました。
ディナーの味わいや全体を通してのストーリー性・完成度には目を瞠るものがあり、「レヴォ(L'evo)」と並んで北陸を牽引するフレンチでしょう。しかしながら宿泊施設としてはパっとせず割高なので、ビジターで訪れて食事を摂るだけで良かったかなというお気持ちです。

土日祝はランチも営業しているので、北陸旅行を終え〆のランチにお邪魔し、そのまま小松空港に帰るプランがベストなような気がしました。お疲れさまでした。

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「大人絶景旅」と銘打ってはいますが、石川の名所をテンポ良くまとめています。グルメ情報も多くモデルルートの提案もあり、広告だらけのガイドブックとは一線を画す品質の高さです。