一汁三菜 (いちじゅうさんさい)/西麻布

日赤通りにある定食屋「一汁三菜 (いちじゅうさんさい)」。西麻布というバリえろい立地ながら食べログの定食百名店に選出されました。「リストランテ ペガソ(PEGASO)」「コントワール ミサゴ(Comptoir Missago)」のすぐ近くです。
ハイチェアのカウンター6-7席のみの小さなお店。どの駅からも遠く、タクシーで訪れる感じでもないのでゲストの殆どは地元の方々。ランチタイムはもちろんディナータイムも場面で行列が生じる人気店です。
私は焼魚定食の「さば味噌漬け」を注文。1,820円です。店名の通り一汁三菜が並べられ、日本の伝統的な食事のスタイルを体現しています。
主題の焼魚、さば味噌漬け。食欲をそそる香ばしい香りが鼻腔をくすぐり、一口食べると、皮はパリッと香ばしく、身はふっくらとジューシー。脂の甘みが口の中に広がり、ライスとの相性が抜群。出汁のきいた玉子焼きも添えられており、定食としてこれ以上の完成度は無いでしょう。
小松菜のおひたし。シャキシャキとした食感が心地よく、かつお節の香ばしい風味が口いっぱいに広がります。シンプルながらも奥深いひと品です。
さつまあげとこんにゃくの煮物はほっとするような優しい味わい。だし汁の風味と、ほんのりとした甘辛さが絶妙に調和し、どこか懐かしい味わいを奏でます。
ごはんは白米か玄米もしくは「あいもり」を選択することができ、私は玄米をチョイス。かおりが香ばしく、ふっくらと粒立った一粒一粒は、口に入れるとプチプチとした心地よい食感。噛みしめるほどに、玄米ならではの風味と仄かな甘みが口の中に広がります。
ワカメのお味噌汁。まず感じるのは、まろやかで奥深い出汁の旨味。じんわりと体に染み渡るような優しい味わいです。
追加で「角煮ハーフ」もお願いしました。箸でほろりと崩れる豚の角煮は、口に入れた瞬間に、とろけるような脂の甘みと出汁の香りが広がります。脂身はしつこくなく、赤身とのバランスが絶妙で、噛むほどに肉の旨味がじんわりと染み出してきます。

以上を食べて2,500円ほど。カウンターのみの定食屋で、みな当然のように2千円3千円と払って帰るのは結構すごいことですが、その品質は抜群なため、むしろお値打ちに感じるほど。大戸屋の最上位互換はバンコクの「みつもり(Mitsumori of Tokyo)」ではなく、当店かもしれません。オススメ!

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