「シンガポールの出入国管理で別室送りになった話」で記した通り、ジョホールバルでは散々な目に遭ったのですが、そういったトラブルこそが海外旅行の醍醐味。ジョホールバルでの日々に愛着すら湧いてきたタイミングでシンガポールへ陸路で入国します。
シンガポール側の国境駅から降りてすぐにタクシースタンドがあり、かなりの台数が客待ちしていたのでそのまま乗り込むことにしました。もちろんGrabを利用しても良く、そのへんは臨機応変に行きましょう。シンガポールにお邪魔するのは2017年ぶりであり、土地勘を取り戻すためにも街中を散策します。シンガポールのスーパースターであるマーライオンの修復も完了していました。王道の観光案内についてはガイドブックに譲ることとして、ここからは私の視点で気づいたことを記録に残しておきます。
シンガポールのスイカ的なICカードの有効期限がバッチリ切れていたのですが、新しいカードを買い直してから地下鉄のチケットオフィスに相談すると、残額をきちんと移動してくれました。であれば有効期限なんて不必要だと思うのだけれど。
シンガポール人も他のアジア諸国の民と同様にスマホが大好きで、独特のセルフィ―センスを持ち合わせています。例えばこの穴みたいな所でインスタするのが流行っているらしく、ローカルが百人以上の列をなしており、そのひとりひとりの撮影時間に5分程度を要するので、何か深い事情があるのかもしれません。
日本のベビーカー論争につき、私は引き続き高い緊張感をもって注視しているのですが、シンガポールにおいてもベビーカーの台数は東京に比して全く少なく、やはりあの問題の原因は単にベビーカーの台数だけの問題ではないか、というのが私の持論です。東京の街行くベビーカー台数は、体感でシンガポールの3倍以上です。
コロナ前夜に開業した、チャンギ空港に隣接するショッピングモール「ジュエル(Jewel)」がとっても楽しい。空港の概念を覆す巨大施設であり、ショッピングやレストランは当然として、スパや各種のアトラクション、エヴァンゲリオンの最終話に出てきそうな滝まで用意されています。乗り換え時間を全く苦としないメガモール。我が心のベスト・エアポート第1位はチャンギ空港に決定です。
ところで今回のフライトはANAに予約を入れていたのですが、直前に「運航社がエアージャパンに変更」との連絡。は?何でフルキャリアからLCCに勝手に変更するわけ?と凸すると、「エアージャパンによって運航されるANA(NH)便は、ANAの機材・サービス基準にて運航いたします。新ブランドAirJapanとは異なります」と謎の回答。
「ANAと同等のサービス基準でご提供しているもののエアージャパンの客室乗務員や機材で運航する関係上、お客様に運航会社の変更としてお知らせしております。ご予約便の運航会社はエアージャパンとなりますが客室乗務員の制服や機内食などのサービスに変更はなくANAと同サービスをご提供いたしておりますためご安心いただければと存じます」と、暖簾に腕押しの説明が続く。
不信感の過積載で機内に乗り込むと、何のことは無い、ANAオブANAの機体とサービスであり、普段と何が異なるのかサッパリわかりませんでした。であれば乗客を不安にさせるような連絡は控えて欲しいところ。航空業界特有の繁文縟礼があるのかなあ。誰か詳しいひと教えて下さい。
<ホテル>
今回のシンガポールは「アンダーズ シンガポール(Andaz Singapore)」に滞在したのですが、総じてパっとしないホテルでした。ハウスキーピングに手違いが生じ、デュティマネージャーが部屋まで直々にお詫びに来るなどのトラブルもあって、ハコは悪くないのですが1泊5-6万円としてはサービスレベルは低いなあというお気持ちです。詳細は別記事にて。
<飲食店>
飲食店はお隣のマレーシアの方が圧倒的に割安ですねえ。フルーツジュースのような比較し易い単純なものですら価格が全く異なる。ジョホールバルから移動して来た身としては、同クオリティのものがシンガポールでは2倍近い支払金額を要することに精神的にきついものがありました。みんな大好き「Din Tai Fung(鼎泰豊)」なんて、シンガポールだと2-3倍はするもんなあ。
ここからは私がお邪魔した飲食店をご紹介。いわゆるファイン・ダイニングには一度も訪れておらず、予約が要らない気楽なお店ばかりです。
■Lau Pa Sat(ラオパサ)
シンガポールの名物と言えば屋台村の「ホーカーズ」。国内の至る所に点在しますが、そのアクセスの良さや清潔度合いから観光客にとって最もアクセスの良いのが「Lau Pa Sat(ラオパサ)」。アジア随一の金融街のど真ん中にあり、赤茶色の屋根に時計台が何とも絵になる屋台村です。
■Boon Tong Kee Balestier(文東記)
シンガポールの国民食と言えば「チキンライス」。国内にはおよそ百万店ものチキンライス屋があると言われていますが、中でもトップクラスの人気を誇るのが「Boon Tong Kee(文東記、ブン・トン・キー)」。「せっかくシンガポールに来たんだからチキンライスは絶対食べたい!」な旅行者は、リストの一番上に記載して間違いのないお店です。
■Song Fa Bak Kut Teh(松發肉骨茶)
シンガポールにおけるソウルフードのうちのひとつ「肉骨茶(バクテー)」。中でもトップクラスの人気を誇る専門店が「Song Fa Bak Kut Teh(松發肉骨茶、ソンファ・バクテー)」で、屋台から始まり今や十数店舗を展開するに至り、ミシュランではビブグルマンを獲得しています。
■Alley on 25
https://www.takemachelin.com/2024/05/alley.html「アンダーズ シンガポール(Andaz Singapore)」の朝食会場は、25階ロビーフロアの奥にある「Alley on 25」。上級会員向けのラウンジなどは無いため、宿泊客の全員が当レストランで朝食を摂ることになります。
朝食としては悪くないですが、1泊5-6万円のホテルのそれとしてはちょっと物足りないなあというお気持ちです。そういう意味で、東京のアンダーズの朝食は相当レベルが高いような気がしてきました。久しぶりに泊まりに行ってみようかな。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。