シンガポールの名物と言えば屋台村の「ホーカーズ」。国内の至る所に点在しますが、そのアクセスの良さや清潔度合いから観光客にとって最もアクセスの良いのが「Lau Pa Sat(ラオパサ)」。アジア随一の金融街のど真ん中にあり、赤茶色の屋根に時計台が何とも絵になる屋台村です。
屋根もありファンも回っているので、屋台村というよりもフードコートと呼ぶに相応しいかもしれません。細かなルールはあるようですが、一般的なフードコートと同じ立ち振る舞いをすれば大丈夫です。
ちなみに酒類はその専門店がいくつかあり、ビールが1パイントで千円チョイといったところ。屋台なのに東京のHUBよりもちょっと高い。グループで訪れるならばピッチャーで注文するとお得な気がします。
■Best Satay No.7 & 8
他のホーカーズと一線を画す試みと言えば「サテストリート」。日が暮れると道路が封鎖されテーブルが並べられ、あっという間に青空ビアガーデンの出来上がり。その近くにサテの屋台がズラリと並び、モクモクと香ばしい炭火のかおりが立ち込め始めます。
一番人気は「Best Satay No.7 & 8」というお店であり、というかこの店だけに行列が生じていました。メニュー上では26本セットからの提供で、我々は2人だからそんなに食べれないとスタッフに申し立てると、10本ほどのセットでも用意してくれました。このあたり融通がききます。
サテはチキンにマトン、牛肉にエビでしょうか。いずれも普通に美味しいのですが、正直に申し上げると鳥貴族のほうがレベルは上です。唯一エビだけはサイズも質も良く、何ならエビばっかり食べれば良かったなというお気持ちです。
■Seng Kee Local Delights
シンガポールのソウルフードのひとつ「ホッケンミー」。中国の福建省(ホッケン)から伝わったとされる麺料理であり、当店はラオパサを代表するお店のひとつです。
いわゆる塩焼きそば的な料理であり、2種類の麺が混在しているのが特徴的。エビやイカなどがチョロチョロと入っていますが、軒先のメニュー表とは全くことなるボリューム感であり、マクドナルドを超える写真技術です。不味くはないですが、旨くもない。
■Thunder Tea Rice
「ティーライス」の専門店「Thunder Tea Rice」。抹茶のような色合いのスープを少しずつゴハンにかけながら食べる、シンガポール風のお茶漬けとも言うべき料理です。これは、うーん、美味しくないですねえ。色合いはどぎついのに殆ど調味がなされておらず、バジルを水で溶いたようなスープです。もうちょっと出汁をきかせるとか、やりようはあると思うのだけれど。
なお、いずれの店舗においても食後の下膳はセルフで行う必要があり、法律で決まっているとかそんなだった気がします。ハラルとそうでないので台が分けられているのが象徴的です。結論として、あくまで観光客向け・外国人向けのホーカーズであり、どの料理もパっとせず、値段だけは立派です。名古屋は高岳の「ラオパサ (LAO PASA)」のほうがレベルは上だし、もっと言えば新橋あたりの安居酒屋のほうが全然美味しい。お疲れさまでした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。