San Ciro(サン チーロ)/広尾

広尾の商店街を奥まで行って、祥雲寺の門をくぐった先の駐車場脇にある「San Ciro(サン チーロ)」。え?こんなところに?という意外なロケーションがグっと来る。コロナ真っ盛り2021年の開業ながら、既に地元民を中心に好評を博しています。
ごくごく小さなお店であり、カウンター席が7-8席に小さなテーブルがあるといった程度。ラーメン屋と大差ない間取りです(画像は食べログ公式ページより)。それでも内装と客層が洒落ており、立地を含めてまさに隠れ家といった装いです。
赤津達郎シェフは恵比寿「イル・ボッカローネ(IL BOCCALONE)」で腕を磨いた後に独立。ソムリエの呼称資格も取得しているそうで、沢山のグラスワインが開いていて嬉しい。
コースでの注文も可能ですが、我々はアラカルトで注文。まずは前菜盛り合わせ。それぞれ手が込んでおり酒のツマミにピッタリ。とりわけタコを揚げたんとマイワシが旨かった。
花ズッキーニにモッツァレッラチーズを詰め込みフリットに。お花の部分がチーズたっぷりで当然に美味しいのですが、個人的には極太の根本の芯の部分がジューシーで心に残りました。サクフワの衣も気分がアガる口当たりです。
自家製のフォカッチャはジューシーで素朴な美味しさ。お隣の小さな硬いドーナツみたいなのは何だろう。グリッシーニを曲げたのかな。
北海アサリの良いものが入ったとのことで、オイル系のパスタに仕上げてもらいました。アサリというよりもハマグリに近いサイズ感とその食感。たっぷり振りかけたカラスミを含め、海の旨味がたっぷり詰まった逸品です。
ホロホロ鳥のインボルティーニ。「インボルティーニ」とはイタリア語で「巻く」「包む」という意味であり、今回はホロホロ鳥を平べったくして中にアーティチョークを巻き込みます。皮目の豊かな脂をアーティチョークのホクホク感で受け止め乙な味。塩気もビシっときかせており、見た目は地味な色合いながら存在感のある肉料理です。
もう少し食べれそうだということで、追加で手打ちパスタを注文。ソースはラグーでお願いし、ゴロゴロとした肉の食感を堪能します。炭水化物ながら赤ワインが進むひと皿です。

以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1万円強。アラカルトで注文できる自由度の高さと確かな味わいを考えれば実にお値打ち。「アルカディア(arcadia)」もそうですが、このあたりは飲んで食べて1万円前後のイタリアンがとても捗る。夜遅くまで営業してるしお一人様も大歓迎とのことで、またひとつ素晴らしいレストランを見つけた夜でした。

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